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本場の米企業に学ぶ スポーツの産業化とは…
編集委員 北川和徳

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2017/12/20 6:30
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現在、同社が契約するのはMLB、NFL、NBA(米プロバスケットボール協会)、NHL(北米プロアイスホッケーリーグ)の米四大プロスポーツにMLS(米メジャーリーグサッカー)やモータースポーツ統括団体のNASCARなど驚くほど広範囲に及ぶ。MLBとNHLは参加全チームと一括契約している。

米国外では英イングランド・プレミアリーグのチームなどとも契約。16年に英国のネットスポーツ通販会社を買収した。18年には日本のほか、ドイツにも現地法人を設立する予定で、中国への進出も視野に入れている。こうした海外展開による事業拡大の可能性にソフトバンクが注目し、巨額の出資につながったとされる。プロ野球ホークスの買収後、オーナーとしてチーム強化を進めるだけでなく、同時に球団の事業価値を着々と高めている孫正義氏らしい投資だと思う。

ファナティクスが運営するMLBの公式オンラインショップには全球団のファン向けグッズが豊富にそろう

ファナティクスが運営するMLBの公式オンラインショップには全球団のファン向けグッズが豊富にそろう

日本法人を担当する川名氏の説明を聞いていると、ファン向けグッズのライセンス事業について本場米国と日本の違いに驚かされる。日本ではこれまではチーム側がライセンス権を業者に売却。その後は業者に丸投げというパターンが圧倒的に多かった。チームと業者が協力して売り上げアップを目指すことはまずない。最近はチームが自らグッズの企画、販売をするケースもあるが、製造は外注となり、品ぞろえは限られる。

日本のプロ野球チーム、Jリーグクラブのオンラインショップに用意されたファン、サポーター向けTシャツの品数をMLB各球団と比べたデータを見せてもらった。各チーム平均でセ・リーグ57、パ・リーグ171、Jリーグ18。対してMLBは同873。

機動的な商品展開力に差

この違いは機動的な商品展開力の差によっても生まれる。たとえばMLBではファンの前に訪れたメモリアルな瞬間をすかさず商品化する。個々のプレーヤーの記録達成や引退、注目新人の入団などがあると、その日のうちにさまざまな記念グッズがサイトに登場し、最速なら翌日にも手に入れられるという。

一方、日本はどうか。記念グッズを企画しても、新たに生産を外注すると手に届くまで何週間もかかる。種類も限られ、売れ筋はすぐに品切れになる。これでは盛り上がった気持ちも冷めてしまう。ショップのリピーターにもなってくれるコアなファンを開拓するチャンスをみすみす逃しているともいえる。

プロスポーツだけではない。ファナティクスは米国オリンピック委員会(USOC)の公式オンラインショップも運営し、競技団体や大学スポーツとも個別に契約している。日本法人でもプロ野球やJリーグ、Bリーグなどのほか、五輪スポーツの競技団体や大学なども顧客として想定しているという。

ファナティクスとは熱狂的なファンを意味する。チームやアスリートを応援するファンの気持ちをお金に変える。ビジネスライクな考え方に反発を感じる人もいるかもしれないが、スポーツの産業化とはある意味でそういうことなのだと思う。

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