量子コンピューター、エラー0.1%以下に 理研・東大

2017/12/19 1:00
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理化学研究所や東京大学などは、次世代の超高速計算機の量子コンピューター向けに新型素子を開発した。半導体微粒子の中に電子を閉じ込め、磁場をかけて状態を制御することで、量子コンピューターの基本単位となる「量子ビット」を精密に操作する。エラーが発生する確率は0.1%以下で、実用化に向けた課題をひとつクリアした。

グーグルやIBMといった米国のIT企業が開発を手がける超電導を使う方式よりも、量子の計算に必要な電子の状態を保ち続けやすく、半導体技術を生かせるため集積化が容易という。5年をメドに10量子ビットの試作機開発を目指す。成果はネイチャー・ナノテクノロジー(電子版)に掲載された。

通常のコンピューターが扱うビットは0か1のどちらか一方を表すのに対し、量子ビットは0と1の「重ね合わせ状態」を表すことができ、より大量の計算ができる。ただ量子ビットを操作した際に、重ね合わせ状態がずれる特有のエラーが出る。エラーが増えると訂正するためにより多くの素子が必要になり、大きな課題となっている。

研究チームは微小な磁石で磁場を発生させ、電子が磁石のような性質を示す「スピン」の向きを精密に制御するとともに、半導体に使うシリコンの余計な同位体を取り除くことで、量子ビットを高速に操作。99.9%以上という高い精度を実現した。

理研の樽茶(たるちゃ)清悟グループディレクターは「シリコンを使って99.9%以上の精度に達したのは世界で初めてだ。量子コンピューターの開発加速につながる」と強調する。

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