JR九州、九州新幹線も本数削減 来春ダイヤ改正

2017/12/15 22:15
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JR九州は15日、来年3月17日のダイヤ改正の内容を発表した。1日あたりの運転本数は3011本で、2017年度当初と比べ4%に相当する117本を減らす。削減量は発足以来最大で、対象は各地のローカル線にとどまらず九州新幹線にまで及んだ。実質赤字の鉄道事業の収支改善が目的だがコスト削減効果は示していない。

「鉄道を将来にわたって維持するために輸送力を利用実態に合わせ、経営体質を強化することが必要だ」。鉄道事業本部の福永嘉之副本部長はこう強調した。削減するのは早朝や深夜など利用の少ない時間帯に絞り、朝夕の通勤通学の時間帯は現行と同程度の輸送量を確保する。

3011本の運転本数は九州新幹線が部分開業した04年から08年の水準だ。新ダイヤでは九州新幹線は「さくら」「つばめ」を6本減らして119本に。在来線特急は「かもめ」などを24本減らして277本になる。

在来線の快速・普通は87本減らして2615本とする。利用の少ない吉都線の吉松(鹿児島県湧水町)―都城(宮崎県都城市)間で3往復減らすほか、肥薩線の人吉(熊本県人吉市)―吉松間で2往復減らすなどする。

全列車の運行距離を足し合わせた平日1日あたりの「列車キロ」は18万5千キロメートルから7%減の17万2千キロメートルに。列車キロでみても過去最大の削減となる。福永副本部長は「(各エリアとも)全体的に減少している。増やしたところはない」と説明した。

JR九州の鉄道事業は17年3月期で実質87億円の赤字。輸送人員は増加傾向だが、最重要課題とも言える実質黒字化のメドは立っていない。今後は人口減少に加え、本州以外のJRに特例で認められてきた鉄道事業の固定資産税などの軽減措置が18年度末に失効する。鉄道の事業環境は厳しくなるため、運行本数にメスを入れるのは避けられないとの判断があったもようだ。

鉄道事業のコスト削減効果は「精査中だが、動力費、電気代は減少が見込まれる」との説明にとどまり、具体的な金額は示さなかった。ローカル線の沿線自治体では駅の無人化などの合理化策に反対する声も出ている。地域から理解を得るためにもより詳細な説明を尽くす必要性は高まっている。

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