商都走る起業のよろず屋 大阪の名物インキュベーター

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2017/12/18 6:30
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「関西をシリコンバレーのようなハブ(交流地点)にしたい」。起業家が集まる大阪かいわいの講演会や交流会で吉川正晃さん(63)の姿を見かけないことはない。ある日は大企業と起業家の橋渡し、ある日は海外起業家とのセッションへ。現場を走り回る吉川さんの肩書は大阪市職員。民間企業で米西海岸に赴任した経験を生かし、「起業のよろず屋」を目指す。

■起業家と弁護士も交流

大阪イノベーションハブ推進責任者の大阪市理事・吉川正晃さん

大阪イノベーションハブ推進責任者の大阪市理事・吉川正晃さん

9月、JR大阪駅前の商業施設「グランフロント大阪」内にある起業家向けの交流拠点に、スーツ姿に金バッジの男女が続々と姿を見せた。通常は若い起業家が集うことの多い拠点だが、この日集まったのは弁護士。大阪弁護士会の会員らが関西の起業家と交流する初のイベントだ。

会社設立の手続きや資金調達などを巡り、起業家が直面するトラブルは多い。「今後、起業家の相談を受ける機会は増えるはず。交流できる場は非常に貴重だった」。起業家の悩みを生で聞いた弁護士は話した。

スタートアップ企業の量産支援を手がけるダルマテックラボ(京都市)の牧野成将代表(38)は会場で、「弁護士に相談するのはハードルが高いイメージがあるが、気軽に相談できるネットワークがあれば心強い」と話した。

「起業家にとって、事業を興すことは分からないことだらけ。道筋を示すきっかけになれば」。大阪弁護士会と協力して交流会を考案したのは吉川さんだ。会場の「大阪イノベーションハブ」は大阪市が運営する起業家支援などのための交流拠点。吉川さんは大阪市理事として拠点の推進責任者を務める。

イノベーションハブに集まるのは、起業家だけでなく大手企業や大学関係者など様々だ。開設から4年。イベントが開かれない日はないほどにぎわう拠点になったが、「当初は本当に成功するか手探りの連続だった」。吉川さんは13年の拠点開設をきっかけに公募で大阪市職員に転身した。

大学卒業後、機械大手のクボタに入社し、米国でパイプ管の営業などを経験した。転機になったのはクボタが多角化の一環として始めたIT(情報技術)企業への投資だ。スタートアップへの投資を模索するチームの一員として米国企業との交渉役になった。

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