2018年2月26日(月)

CCC、主婦の友社買収 リアル書店に活路

ネット・IT
小売り・外食
2017/12/15 18:57
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 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は15日、主婦の友社(東京・文京)を買収したと正式に発表した。子会社を通じて大日本印刷が保有する主婦の友社の株式99.9%を取得した。ネット通販や動画配信に押される中、CCCが活路を見いだすのが「リアルの書店」だ。出版社のノウハウを取り込んで、独自の売り場を作って集客に生かす。

 「顧客を幸せにするには店の提案力が重要。ネットが普及した今、独自の商品をそろえるのが重要だ」。CCCの増田宗昭社長はこう強調する。主婦の友社を買収するのも同社のコンテンツ力を生かして、他店にはない魅力的な売り場を構築したいからだ。

 買収の布石はあった。秋にCCCはベストセラーとなった美容本の著者とコラボレーションして主婦の友社が発売した美容雑貨をTSUTAYAや蔦屋書店で先行販売した。

 子会社化することで、こうした催事企画を継続的な取り組みにする。同社が持つノウハウやデータ、人材を生かした商品の共同開発にまで踏み込めるようになる。書籍の企画と連動した売り場も作りやすくなる。

 CCCは相次いで出版社を買収している。2015年に美術出版社、今年3月には徳間書店を傘下に収めた。その狙いを増田社長は「外部の企業には情報を提供しにくい。グループに入ってもらって一緒にやるということ」と語る。

 4月に開業した「銀座 蔦屋書店」(東京・中央)では美術出版社と共同でイベントを開いたり、同店でしか販売しない書籍の特装版を投入したりしている。CCCが制作に携わった映画「嘘を愛する女」では18年1月の公開に先駆け、徳間書店が書籍化。CCCの書店で販売し始めた。周辺ビジネスも巻き込んだ相乗効果を模索している。

 書店事業強化の背景にあるのがレンタル店の苦境だ。日本映像ソフト協会(東京・中央)などの推計では、16年の映像ソフトのレンタル市場は前年比6%減の1831億円だった。一方、16年の有料動画配信サービスの利用率は前年比2ポイント増の12.7%。日本経済新聞の調べでは、TSUTAYAは3月以降に少なくとも43店が閉店した。

 CCCも手をこまぬいているわけではない。ネット対応では11月に自社の動画配信サービスで、初のオリジナル番組を配信し始めた。月額1千円(税別)で旧作DVDが借り放題になるサービスでは動画も見放題だ。ただ、米ネットフリックスやアマゾン・プライム・ビデオなどと比べると「出遅れ感」は否めない。

 今回の出資戦略も含めて独自の生態系を構築する中で、CCCが新たな収益モデルを生み出せるのか。注目される。(毛芝雄己)

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