ディズニーCEO、メディア戦略「消費者と直結」
21世紀フォックスの事業買収

2017/12/15 10:30
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【シリコンバレー=中西豊紀】米メディア大手のウォルト・ディズニーが14日、同業21世紀フォックスの事業の大半を買収することを決めたと発表した。多様なコンテンツをそろえ、デジタル技術を駆使して消費者との距離を縮める。ネット大手がコンテンツ配信を手がけ始めたなか、ブランド力のある老舗メディアも対応を迫られている。

ディズニーのアイガーCEO(左)とフォックスのマードック氏(右)=ディズニー提供

ディズニーのアイガーCEO(左)とフォックスのマードック氏(右)=ディズニー提供

「我々のメディアビジネスにとって不可欠であり最優先課題だ」。ディズニーが同日開いた電話会見でロバート・アイガー最高経営責任者(CEO)が事業買収の理由として挙げたのは「消費者と直接つながる戦略」の強化だ。そこには、コンテンツの幅を広げなければファンが離れていくという危機感がにじむ。

テレビや映画を通じたコンテンツ配信では強い支配力を持つディズニーだが、近年は「媒体」の主役がネットに移りつつある。ディズニーは今回の買収で動画配信サービス「Hulu」の60%の大株主になる。アイガー氏は「今いるライバルへの対抗になる」と暗に動画配信最大手のネットフリックスをけん制した。

ディズニーは2018年からスポーツチャンネルの「ESPN」、翌19年にはディズニー関連ブランドの番組配信をそれぞれ自らネット配信する計画。アイガー氏は「(買収で)スポーツファン、家族、その他の一般の人向けコンテンツをそれぞれグローバル規模でそろえられる」と説明した。

懸念は巨大化しすぎることで米司法省など独禁当局の認可が下りるかどうかだ。会見に同席したディズニーの法務担当役員は「優れたコンテンツを多くそろえ、それを最新テクノロジーで提供するのが目的。消費者の利便にかなう」と述べた。

ディズニーは同様の事業に取り組む企業としてアマゾン・ドット・コムとネットフリックスを例示。「メディアはかつての市場とは違っている」(同)として、「(同業を統合する)水平統合」を嫌う当局に理解を求めていく考えを示した。

ディズニーは今回の買収で20億ドル(約2246億円)のコスト削減効果を見込んでいる。買収手続きの完了には12~18カ月かかる見通しだ。買収を円滑に進めるため、19年のCEO退任を予定していたアイガー氏は21年まで任期を延長する。

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