2018年11月13日(火)

幕張新都心地下に植物工場 伊東電機が開設

2017/12/14 0:00
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搬送機器メーカーの伊東電機(兵庫県加西市)は13日、千葉市と習志野市にまたがる幕張新都心の地下溝を活用した植物工場を開設した。年間を通じて気温の変化が少ない地下の特性を生かし、生育環境の維持にかかる電力コストを一般的な植物工場に比べて3分の1に抑えた。レタスやベビーリーフなどを栽培し、量産が始まる2020年には1日5000株の出荷を目指す。

レタスは種まきから44日間で収穫できる

千葉県が幕張新都心の地下に建設した巨大な共同溝の一角を賃借し、植物工場「幕張ファーム vechica(ベチカ)」を開設した。地上の施設で種から苗の状態に育てた後、コンベヤーにのせて地下工場に移動。地下で出荷できる大きさに育った段階で再び地上に戻し、袋詰めして出荷する。種まきや袋詰め以外の作業は全自動で処理する。

作物は縦2.4メートル、横1メートル、高さ30~40センチメートル台の「セル」と呼ぶ箱状の閉鎖空間で育てる。内部には成長を促す発光ダイオード(LED)照明や養液を供給するチューブ、温度調節用のファンを備えた。地下の気温は年間を通じて18~20度と安定しているため、コストのかさむ空調設備は省略した。

18年10月までは検証期間としてレタスやベビーリーフ、エディブルフラワー(食用花)を試験栽培し、1日あたり200株を生産する。生育環境や品質の安定性を確認したうえで、19年には生産量を1日2000株に引き上げ、市販も始める計画だ。

検証期間中の栽培ラインは長さ30メートルにとどまるが、設備を順次増強し、量産開始の20年には総延長800メートルの植物工場が完成する。将来は「野菜のほか、果物や穀物にも挑戦したい」(同社)という。

幕張新都心の地下共同溝は千葉県が200億円を投じ、1995年に建設。幕張新都心のエリア拡大を見越し、進出企業向けの電線や水道管などのライフラインを設置するのが目的だった。しかし、景気の低迷で拡大計画は思うように進まず、共同溝もほとんど使われなかった。

千葉県は16年に地下溝の植物工場への転用を決定し、事業者を募集。伊東電機と富士通でつくる企業グループの事業案を採用した。県にとっては遊休施設を有効に活用でき、賃借収入が得られるメリットもある。

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