静岡県西部の官民、「直虎特需」継続目指す

2017/12/14 0:00
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現在の浜松市で生涯の大半を過ごした女性戦国武将、井伊直虎を主人公にしたNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の放送が17日に終わる。静岡県西部では観光業を中心に「直虎特需」といえるような、にぎわいが続いた。2018年以降もこの勢いを継続させるため、県西部の官民はさらなる観光資源の掘り起こしや情報発信などを急ぐ。

大河ドラマ館は目標を大きく上回る70万人が来場した(浜松市)

「今年の漢字は『賑』だ。大勢の観光客でにぎわい、経済波及効果もあった」。鈴木康友浜松市長は11月下旬の記者会見で、直虎効果をこう振り返った。1月に開設された大河ドラマ館は50万人の集客目標を掲げたが、実際には12月3日時点で目標を大きく上回る70万人が来場した。

遠州鉄道は旅行商品や直虎関連の土産品の販売など「グループ全体で1年間に5億円ほどの経済効果があった」(村松修常務)。ホテル九重など浜松市のホテルでは夏休みは満室状態が続き、ドラマ終了後の予約も前年より順調だという。

だが、浜松市観光・シティプロモーション課の原田憲治課長補佐は「大河ドラマはあくまで特需。終了後もすがり続けることはできない」と気を引き締める。今後は大河ドラマで注目を集めた歴史関連だけでなく「マリンスポーツやグルメなどここだけの魅力を戦略的に発信していきたい」(原田課長補佐)と話す。

次の誘客の起爆剤と見込むのが、19年4~6月に開催するJRグループの大型観光企画「デスティネーションキャンペーン(DC)」だ。静岡県での開催は19年ぶり。観光客を呼び込むため、魅力的な観光資源の掘り出しや旅行会社などへの売り込み策を急ぐ。

こうした県西部での観光振興の中核となるのが、18年4月設立予定の「浜松・浜名湖DMO(観光地経営組織)」だ。浜松市や同県湖西市に加え、金融機関、企業も参加して立ち上げることで円滑に資金調達できるようにするほか、民間の人材も加えて幅広い発想を取り入れることをねらう。さらに事業責任者には外部の専門家を起用し、実効性の高い事業を展開することを目指す。

DC本番までは1年以上あるものの、18年春にはプレキャンペーンが実施され、国内外の旅行会社などを集めた販売促進イベントも予定されるなど、準備にかけられる時間は長くはない。原田課長補佐は大河ドラマで知名度が高まった歴史資産や浜名湖などの自然資産を生かし、「ものづくりだけでなく、観光でも稼げる地域にしたい」と意気込む。(伊神賢人)

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