2018年6月22日(金)

9万年前の噴火想定 伊方運転差し止め「立地は不適」

2017/12/14 2:00
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 1万年に1回程度の「破局的噴火」のリスクをどう評価するか――。13日の広島高裁決定は、伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山が9万年前と同じ規模の破局的噴火をする危険性を重視し、火砕流が押し寄せる可能性があるとして「原発の立地は不適」と踏み込んで判断した。

 九州中部で9万年前に起きた破局的噴火の火砕流は九州を覆い、山口県に達した。マグマが抜け出て地面が陥没し、東西17キロ、南北25キロという世界有数のカルデラを持つ阿蘇山が形成された。

 火山噴火の爆発規模を示す世界共通指標の火山爆発指数(VEI)は0~8の9段階あり、9万年前の破局的噴火は「7」、2014年の御嶽山噴火や15年の口永良部島噴火はいずれも「1」。日本では7以上の破局的噴火は1万年に1回程度起きているという。

 四国電力は9万年前の火砕流堆積物について、伊方原発が立地する佐田岬半島での確認報告はないなどとして、火砕流は同原発には到達しないと主張した。これに対し、広島高裁決定は、火砕流堆積物は火山灰層に変化したり海水で浸食されたりするため判断できないと指摘。過去最大規模のVEI7や同6レベルの噴火を想定すべきで、伊方原発の火山対策は不十分だと結論づけた。

 ただ、原子力規制委員会の現在の安全審査は破局的噴火対策まで求めていない。原発の運用期間中(原則40年)に発生する可能性が「十分に小さいと考えられる」(原子力規制庁)ためだ。

 火山の噴火リスク評価を巡ってはこれまでも司法の場で争われ、判断が分かれている。川内原発の運転を容認した16年4月の福岡高裁宮崎支部決定は、破局的噴火について「安全確保上、考慮すべきだとする社会通念は確立していない」と指摘。17年3月の広島地裁決定も「最大規模の噴火が原発の運転期間中に起きる可能性が、相応の根拠を基に示されない限り、安全性を欠くことにはならない」として伊方原発の運転を認めている。

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