トヨタとパナソニック、EV電池で協業検討を発表
コスト削減へ規格共通化

2017/12/13 17:32
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トヨタ自動車パナソニックは13日、電気自動車(EV)などに使う車載用電池で協業を検討すると発表した。EVのコストの大部分を占める電池の共通規格を策定し、他の車メーカーにも採用を呼びかける。同日、都内で記者会見した豊田章男社長は今回の提携について「日本で生まれ育った両社が電動化の時代をリードしていく思いを形にしたものだ」と強調した。

両社はハイブリッド車(HV)や車載用電池の開発・生産で培った技術や市場データを持ち寄り、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などに使う「角形電池」と呼ばれる車載用電池で業界トップの性能を目指す方針を示した。豊田社長は「資源調達や電池の再利用、リサイクルを含めて幅広く具体的な協業の内容を検討していく」と述べた。

豊田社長は記者会見の中で、2030年をメドに世界販売台数の50%以上をEVや燃料電池車(FCV)といった電動車とする計画も初めて明らかにした。内訳はEVとFCVが合わせて100万台、HVとPHVが合計450万台。HVとPHVを合わせた現在の電動車の年間販売台数(147万台)の4倍近くに相当する規模となる。

豊田社長は「これだけの台数を支えるためにも、車載用電池の性能アップと安定供給が必要不可欠になる」と説明。パナソニックの津賀一宏社長は「相当なチャレンジを覚悟しているのがひしひしと伝わってくる。資金や人材の面で優先順位を上げながらなんとしても思いを支援したい」と応じた。

パナソニックは車載用電池の世界最大手。現在は「円筒形」と呼ばれる汎用性の高い電池を利用した製品を中心に米テスラなどに供給している。津賀社長は「今、EVという視点だけに絞ればナンバーワンの技術は円筒形電池だが、将来を見たときにどこに伸びしろがあるのかは別の答えがありうる」と述べ、トヨタとはあえて従来の主流とは異なる技術方式に挑む考えを示した。

トヨタはこれまで日本ではFCVの普及を優先しており、航続距離が短く電池の経年劣化の問題などを抱えるEVの市販化に消極的だった。一方、欧州や中国の自動車メーカーは政府の後押しも受けながらEVシフトを鮮明にしており、トヨタは出遅れ感を指摘されるケースが増えていた。

豊田社長は「EVの普及を決めるのは規制のスピードと電池開発のスピードの2つだ」と指摘した上で「現在は規制のスピードに電池開発のスピードが追いついていない」と話す。2020年代前半の実用化を目指す「全固体電池」と呼ぶ次世代技術の開発でもパナソニックと連携するほか、すでにEV分野での提携を決めているマツダなどにも参画を促し、オールジャパンに近い体制で車載用電池の開発を加速する考えだ。

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