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ブラジルサッカー界、実り多き17年
サッカージャーナリスト 沢田啓明

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2017/12/14 6:30
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2017年はブラジルサッカー界にとって実り多き一年だった。

まず、3月末の18年ワールドカップ(W杯)南米予選2連戦で難敵ウルグアイにアウェーで4-1と圧勝し、ホームではパラグアイにも快勝。4節を残してW杯出場を決めた。その後も気を緩めず、最終的に2位ウルグアイに勝ち点10、宿敵アルゼンチンに勝ち点13の大差をつけて予選を首位で突破した。

攻撃陣ではネイマール、中盤ではパウリーニョ(いずれもバルセロナ)、守備陣ではミランダ(インテル)とマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)がチームを支えた。だが、最大の功労者は優れた戦術家にしてチームマネジメントの手腕も卓越しているチッチ監督だろう。

クラブレベルでは、グレミオがクラブ南米王者の座を争うコパ・リベルタドーレスで勝ち進み、決勝で昨年のアルゼンチン王者ラヌスをホームでもアウェーでも倒して22年ぶり3度目の優勝を飾った。南米代表として12月16日までアラブ首長国連邦(UAE)で開催中の世界クラブW杯に出場している。

グレミオは守備では高い位置からのプレスと深い位置での守備ブロック構築、攻撃では高速カウンターとしっかりパスを回しての遅攻を状況に応じて使い分ける。21歳のボランチ、アルトゥール(世界クラブW杯は故障で欠場)、24歳のFWルアンら優秀な若手がおり、この2人はW杯ロシア大会の登録メンバーに入る可能性がある。レナト・ガウショ監督が攻撃的でありながら守備も安定したチームをつくり上げた。

ブラジル全国リーグでは、コリンチャンスが2年ぶり7度目の優勝を遂げた。指揮官はチッチ現代表監督がコリンチャンスを率いていたときに守備戦術構築を担当していた44歳のファビオ・カリーリ氏。コーチから昇格して1年目で堅守のチームをつくり上げ、国内王者になった。

将来の代表監督候補が頭角

ブラジル人監督の中ではチッチ氏の実力が突出しており、来年のW杯終了後、彼が代表監督を退任したら後任が見当たらない状況だった。ガウショ、カリーリ両氏が頭角を現してきたことは、近い将来のブラジルサッカー界にとって大いなる朗報だ。

また、16年11月末の航空機墜落事故で選手、コーチ陣、クラブ役員のほとんどを失ってゼロからの再建を余儀なくされたシャペコエンセが見事な戦いぶりをみせた。年初の州選手権を制覇すると、初出場のコパ・リベルタドーレスでは惜しくも1次リーグ突破を逃したが、全国リーグで一時は降格圏に沈みながら終盤懸命に追い上げ、クラブ史上最高となる8位まで順位を上げて来年のコパ・リベルタドーレス予備戦への出場権をもぎ取った。シーズン前、選手たちは「天国の友人たちのためにも死力を尽くす」と語っていたが、その言葉通りの奮闘が感動を呼んだ。

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