2019年8月23日(金)

佐川急便、企業間物流に回帰 SGHDきょう上場

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2017/12/13 6:30
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佐川急便を子会社に持つ持ち株会社、SGホールディングス(HD)が13日に東証1部に上場する。創業から60年。「飛脚」マークなどを通じて一般に知られているが、非上場だっただけに会社の経営構造は分かりにくい面が多い。上場で経営の透明化が一段と進むとともに、2016年に資本提携した日立物流との経営統合がより現実に近づく可能性がある。

商業施設内の物流を一手に引き受ける佐川急便の従業員は「飛脚宅配便」でなじみの制服は着ていない(東京都中央区のGINZA SIX)

商業施設内の物流を一手に引き受ける佐川急便の従業員は「飛脚宅配便」でなじみの制服は着ていない(東京都中央区のGINZA SIX)

東京・銀座の新名所となった商業ビル「GINZA SIX」。ブランド店が軒を連ねるなか、ベージュのスーツを着た従業員が台車で荷物を運んでいく。ホテルの荷物係のようにも見えるが、佐川の従業員だ。佐川は4月の開業時から施設内の物流業務を一手に引き受けている。

商業施設ではテナントに多数の運送会社が納品するため混乱しやすい。佐川は荷さばき場と貨物車用の駐車場を運営。テナントと運送会社から納品の予定を聞いて日程を調整し、施設内の各店舗に配送する。

佐川は「館内物流」と呼ぶ同様の事業を「東京ミッドタウン」や「東京スカイツリー」など約40カ所で手掛ける大手だ。施設の開発段階から参画し、効率の良い配送の仕組みづくりに携わる。SGHDの町田公志社長は「出荷人と荷受人の間に入って物流の付加価値を高められる」と話す。

京都―大阪間の商業貨物で創業者した佐川は、1998年に従来の小口貨物を宅配便扱いに切り替え始めた。インターネット通販による個人への小口貨物の配送需要が高まり始めたことに加え、「宅急便」で企業イメージやブランドが親しまれているヤマト運輸に対抗する狙いもあった。

商業貨物で始まっただけに法人顧客を多く抱える。人手不足に伴うコスト増で宅配便の収支が厳しくなるなか、2013年にアマゾンジャパンとの取引を中止。同年3月期に、460円まで下がった宅配便の平均単価は511円まで回復した。

企業間物流の原点への回帰するなかでの大きなステップが日立物流との提携だ。延べ床面積が3万2000平方メートルの日立物流の沼南物流センター(千葉県柏市)の一角で、佐川の従業員がきびきびと荷物を仕分ける。佐川は提携後、センター内に宅配便の荷さばき場を設けた。

センターは日立物流が荷主からスポーツ用品や衣料品を預かり、店舗や通販用に出荷する。通販用は近隣の佐川の営業所に運んで消費者に発送していたが、センター内に佐川の荷さばき場を設けて直接発送に切り替えた。センターに出入りするトラックの運行時間を1年間で延べ約1万時間(32%)削減できた。

2社の協力の舞台は海外に広がる。佐川はベトナム、日立物流はタイにそれぞれ全土を網羅する輸送網を持つ。両国に接するラオスに中継拠点を設け、16年10月から3国間の輸送を始めた。これらの取り組みの結果、SGHDの17年3月期の連結営業利益は494億円と、ヤマトHDの348億円を上回った。

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