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美術品や歴史建造物、公益信託で管理しやすく 法制審試案

法制審議会(法相の諮問機関)の部会は12日、個人や企業の財産の一部を社会貢献目的で活用する「公益信託」制度を見直す中間試案をまとめた。信託銀行などに預けて管理してもらう対象に美術品や歴史的建造物を加え、一般公開などでプロの手を借りやすくする。事業の担い手の受託者も、NPO法人などに広げる。

現行の公益信託法に信託できる財産の制限はない。ただ、各省庁が公益信託の許可をする審査基準や、相続税などの税制優遇の対象が奨学金や助成金に限られている。美術品や不動産も信託できるようにして、文化振興などに役立てる。

用途の多様化に伴い、NPO法人や企業などの法人も受託者になれるようにする。現在は税制優遇の対象が信託銀行などに限られている。美術館や学生寮といった活用方法に適した受託者を選べるようにする。

公益信託は、個人や企業が財産を信託銀行などに信託し、公益目的で役立てる制度。信託協会によると今年3月末時点で受託件数は472件、信託財産残高は604億円だ。代表例は学生の奨学金や自然科学分野の研究助成金の事業で、名称に個人名や企業名を冠することが多い。

公益信託は受託者の信託銀行などが財産管理や事務手続きを行う。公益財団法人を立ち上げるのに比べて、事務所設置や職員雇用のコストがかからない利点がある。

法務省は2018年1~2月にパブリックコメント(意見公募)を実施。来年中に法制審が要綱案をまとめ、2019年の通常国会で公益信託法改正案の提出を目指す。 受託者に個人も認めるかどうかの議論は分かれ、試案は両論を併記した。日本弁護士連合会は弁護士も受託者になれるよう求めている。

法務省は法案を国会に提出し、成立した後、施行まで2年程度の周知期間を設ける方針だ。その間に、美術品や不動産を信託する際も税制優遇の対象にするなどの税制改正について財務省と調整する。

このほか、公益信託について、民間有識者で構成される委員会が意見を出して特定の行政庁が許可・監督する仕組みにすることも盛りこんだ。現在は公益信託の目的に応じて、各省庁や各都道府県に許可権限が分かれている。これを一元化することで、基準の統一化をはかる。

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