JDI、高精細のVR用液晶を開発、「800ppi」超え

2017/12/12 18:05
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ジャパンディスプレイ(JDI)は12日、世界最高水準のVR(仮想現実)機器向け高精細液晶ディスプレーを開発したと発表した。これまでの同社製品の651ppi(1インチあたりの画素数)を上回る803ppiを実現した。競合他社を上回る技術を武器に新型ディスプレーの採用を増やしていく考えだ。

JDIは液晶パネルでVR向け高精細ディスプレーを開発した(12日、東京都千代田区)

ゲーム用の高性能VR機器は没入感を実現するために小さい画面ながら高い画素密度が求められる。ヘッドマウントディスプレー(HMD)はスマートフォン(スマホ)と比べて画面と目との距離が近いため、他の機器と比べて高い精細度が必要だ。JDIは2018年上期には1000ppiを超えるディスプレーを開発する方針という。

現時点でVR機器で主流となっている有機ELパネルに液晶で対抗する狙い。ソニーの「プレイステーションVR」などは応答速度の速さから有機ELを採用している。JDIは液晶でも有機EL並みの毎秒90フレームや120フレームの応答速度を達成して機器メーカー側に提案していく。

JDIは同日都内で技術説明会を開き、未発売の透明ディスプレーや超低消費電力ディスプレーなどの自社技術を説明。登壇した滝本昭雄最高技術責任者(CTO)は透明ディスプレーについて「従来、考えられなかったものが提供できるようになる」と強調した。

ただディスプレー関連の幅広い技術という新規事業の種を持ちながら、収益に結びつけられなかったのがJDIの歴史でもある。歴代トップが「スマホ依存からの脱却」を掲げながらも依然として売上高の8割超をスマホに依存し、顧客の販売動向に業績を揺さぶられる状態が続く。

その結果、3期連続の赤字となって資本注入を含む外部企業との連携を模索する。日立製作所東芝、ソニーの液晶パネル事業を統合したJDIは高い技術力を誇りながらも収益が伴わない日本企業の悪弊を脱しきれずにいるようだ。同社にとっては収益を生む技術の育成こそが急務となる。

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