気持ち理解し会話、富士通がロボ

富士通は12日、人の気持ちをくみとって自然な会話ができるロボットを発売すると発表した。ロボット関連スタートアップのユニロボット(東京・渋谷、酒井拓社長)が開発した「unibo(ユニボ)」と、富士通のクラウドを組み合わせる。
「(サッカーの)川崎フロンターレが優勝しましたね」「ユニホームの色は知っていますか」。ユニボは自分から話しかけ、人の答えから意図を理解し、趣味や嗜好を学習して臨機応変に受け答えする。
画像・音声認識技術で、相手の表情や声から感情や体調をくみ取ることもできる。これまで高齢者施設や金融機関などで実証実験し、病院で毎日の会話や服薬指導、夜間の見守りなどに利用できる。金融機関やホテルの窓口で受付対応をしたり、家庭のスケジュール管理や検索したりすることも視野に入れる。
富士通が提供する「ロボットAIプラットフォーム」は、ユニボを通じた対話や検索をクラウドで処理する。自然言語処理や音声認識、画像認識など自然なコミュニケーションを支える先端技術ではイナゴ(東京・港、ロン・ディカールアントニオCEO)など複数のベンチャーと組み、外部企業と広く連携できるようにした。
価格はロボットと実証パックのセットで64万8000円。企業の既存システムと連携して商品データや顧客情報を反映し、一体で運用できるようにする。11月にはソニーが犬型ロボット「アイボ」、トヨタが手のひらに乗る会話ロボ「キロボミニ」を発表するなど、AIや通信の進化で家庭用ロボットに参入する企業が相次いでいる。