国内の温暖化ガス、16年度は0.2%減 減少幅縮小
環境省と国立環境研究所は12日、2016年度に国内で排出された温暖化ガスは二酸化炭素(CO2)換算で15年度より0.2%減り、13億2200万トン(速報値)だったと発表した。省エネ対策や再生可能エネルギーの導入が進んで3年連続の減少となったが、温暖化への影響が大きい代替フロンの排出が増えたため、減少幅は15年度の2.6%から縮小した。
代替フロンの排出が増えたのは、エアコンや冷凍機の冷媒に使われているものが廃棄時などに大気中に漏れる量が増えたためとみている。環境省は関連法を改正し、対策を強化する方針だ。
温暖化ガスの大部分を占めるCO2の排出量は12億2200万トンと15年度より0.5%減った。オフィスなどの業務部門は5.2%減り、家庭部門は2.8%減、トラックなどの運輸部門は0.8%減だった。ただ、工場などの産業部門は景気回復で1.6%増えた。
政府は温暖化ガスの排出量を30年度までに13年度比で26%減らすことを長期目標に掲げている。13年度を基準にすると、6.2%減ったことになる。東日本大震災後の原発停止の影響で火力発電の割合が増え、11~13年度は排出量が増えていたが、14年度に減少に転じた。