末期がん、元気なうちに「感謝の会」 元コマツ社長の安崎さん
コマツ元社長の安崎暁さん(80)が11日、お世話になった人に感謝を伝える会を東京都内のホテルで開いた。安崎さんは末期のがんで延命治療を行わないことや会の開催を公表し、反響を呼んでいた。
友人や仕事関係者ら約千人が集まった。出席者によると、ゴルフや旅行を楽しむ安崎さんの写真が飾られ、車いすに乗った本人が「ありがとうございました」と一人ひとりに声をかけて回った。終始和気あいあいとした雰囲気だったという。


安崎さんは2001年まで社長を務めた。今秋胆のうなどにがんが見つかり、手術不可能と診断された。抗がん剤治療を受けないことを決め、11月に自身の思いと「元気なうちに感謝を伝えたい」と会の開催を新聞広告に掲載。インターネットなどで「心打たれた」「理想的な終活」と話題になった。
「何よりも人間関係を大事にする安崎さんらしい会だった」。元部下の男性(66)は固い握手を交わした。ゴルフ仲間という男性は「意志の強い安崎さんならではの決断」とさみしそうに笑った。
終了後に記者会見した安崎さんは「残された時間を充実させ、『人生楽しかった』と思いながらひつぎに入りたい」と話し、明るい表情で会場を後にした。
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