インドネシア小売店低迷 11月売上高2.9%増どまり

2017/12/11 18:36
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【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシア中央銀行は11日、11月の小売店売上高(速報値、指数ベース)は前年同月比2.9%増だったと発表した。消費意欲が旺盛な中間層の増加で近年は2ケタの伸びが続いていた。だが2017年に入って景気低迷による消費者心理の冷え込みやネット通販の普及で1ケタ台の低い伸びにとどまっている。

閑散とする百貨店の店内(11月、ジャカルタ南部)

11月の食料品を除いた売上高は前年同月比6.5%減だった。この統計は小売店の売上高を集計し指数化したもので、ネット経由の消費は含まない。1年を通じて最大の商戦期のイスラム教の断食月(ラマダン)が終わった7月以降は3%未満で低迷が続く。

景気が低迷気味のなか、賃金の伸び悩みが消費者の財布のひもを締めているとみられる。日用品などの購入を減らす動きが顕著だ。日用品世界大手、英蘭ユニリーバの現地法人、ユニリーバ・インドネシアの1~9月期の売上高は前年同期比3.7%増にとどまった。

ネット通販の普及は小売店売上高が伸び悩む持続的な要因だ。ネット通販売上高は年率20%超の勢いで増加中。消費の一部がネットに移ったことで小売店の苦境が続く。ショッピングモールでは空き店舗も目立つ。

ここ数年の急速な消費拡大でモノがあふれ、一部の商品は飽和状態に近づいている。例えば、スマートフォン(スマホ)の普及率は17年に5割超に達する。スマホ購入の一巡を受け、小売店での情報機器売上高は11月に11%減った。新興国のインドネシアでもモノが売りにくい時代が訪れつつある。

インドネシアの経済成長率は5%台で推移し、主要20カ国・地域(G20)の中でも比較的高い成長を保つ。ただ、5%台の成長では十分な雇用確保には不十分との見方があり、実際、失業者数は増えつつある。賃金上昇も緩やかで、経済成長をけん引してきた個人消費にブレーキがかかっている。

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