2019年8月21日(水)

ロシアが中東に接近 プーチン大統領、エジプトに軍事協力
米の中東政策の揺らぎつく

2017/12/11 17:47
保存
共有
印刷
その他

【カイロ=飛田雅則】ロシアのプーチン大統領は11日、エジプトの首都カイロを訪問し、同国のシシ大統領と会談する。両国間の軍事協力やエジプト初の原子力発電所建設への支援などを協議する。その後にトルコに移動してエルドアン大統領に会う。イスラエルの首都をエルサレムと認定したことで中東との関係がきしむ米国の隙を突き、影響力を高める思惑がにじむ。

プーチン氏は11日午後にもカイロに到着し、シシ氏と会談する。ロシア政府関係者によると、首脳会談の議題は(1)エジプトへの武器売却や同国にある空軍基地の相互利用など軍事協力(2)エジプトの原発建設への支援などエネルギー分野の協力――など多岐にわたる。

首脳会談で注目されるのがエジプト空軍基地の利用だ。ロシアは現在もシリアの空軍基地や港を利用しており、エジプト空軍基地を軍用機の発着に使えるようになれば、中東での軍事的な存在感が高まる。

エジプトは伝統的に米国と軍事的な関係が深かったが、足元ではロシアに接近するそぶりをみせる。2012年以降にロシアから40億ドル程度の武器を購入し、16年にはロシアから部隊の派遣を受けて軍事演習を実施した。

同国では11月に300人超が死亡したテロが発生し、保有する兵器の拡充は急務だ。しかし米国への反発が強まる国民感情を考慮すると、米国との関係強化は打ち出しにくい。こうした事情をにらんでロシアが急接近しているもようだ。

プーチン氏が訪問するトルコも同様にロシアとの関係強化をうかがう。エルドアン政権はクルド勢力の抑え込みを急ぐが、イラン制裁などを巡って対米関係が悪化しているためだ。親米路線を続けるサウジアラビアも10月にサルマン国王がロシアを初訪問しプーチン氏と会談し、エネルギーや経済での協力を探った。

ロシアにとって中東諸国への接近は、この地域での影響力拡大につなげる思惑がある。なかでも地中海に面するエジプトやトルコなどに肩入れするのは、欧州で優位にある北大西洋条約機構(NATO)に対抗する地盤をつくる狙いとみられる。

ロシアは14年のウクライナ侵攻で制裁を受け、欧米との対立が続く。中東や地中海地域で影響力を拡大できれば、欧米諸国との交渉で取引のカードになるとみているようだ。シリアの和平を巡っても主導権を握りたい構えを示すが、具体的な和平の見取り図は描いていないとの指摘もある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。