2019年6月20日(木)

隗より始めよ(岩渕健輔)

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ラグビー日本代表、変わり始めた選手の意識

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2017/12/14 6:30
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ラグビー日本代表が11月に戦ったテストマッチ3試合には、前向きな点が多く見られた。トンガに大勝し、過去全敗のフランスに初めて引き分けたという結果だけではない。2019年ワールドカップ(W杯)日本大会まで2年を切った中、本質的な部分を改善しようとチームが動き出したことが大きかった。

今回のテストマッチ期間中、スタッフや選手の口からたびたび発せられた言葉がある。フィットネス(持久力)と、ハードワーク。この2年間、あまり聞こえてこなかった言葉だ。

グラウンド内外でハードワーク

フランス戦でタックルするリーチ(中)。主将復帰はチームにとって大きな意味があった=共同

フランス戦でタックルするリーチ(中)。主将復帰はチームにとって大きな意味があった=共同

ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は「強豪国と比べてフィットネスが30%足りない」と言い、リーチ・マイケル主将もグラウンドの内外でのハードワークの重要性を訴えている。6月のアイルランド戦2試合の連敗による危機感が、いい方向へ作用しているのだろう。

日本代表には、他の球技とも共通する武器があると考えている。入念に準備したプレーを本番で決める際などに必要な組織力。つらい状況でも耐える我慢強さなどである。一方、体の大きさやフィジカル(筋力)、スピードなどの身体能力は海外勢に劣る。

だから、日本は練習でハードワークし、フィットネスやフィジカルを鍛えないと、強みを発揮するための土俵に上がれない。

日本代表ゼネラルマネジャーとして戦った15年W杯の後、今後の日本が継承すべき点を整理した。結論は、世界一の周到な準備、世界一のハードワーク、絶対に勝つという強いマインドセット(考え方)だった。日本代表が身体的に優位に立つ日が来るまで50年間でもやり続けなければいけないと思っている。

今のチームでもこうした点の重要性が再認識されるようになったのは非常によかった。選手、スタッフ陣がそのことを外部に向けて発言し、自分たちで変えようとしているのはさらに素晴らしい。

リーチがこの秋から15年W杯以来の主将に戻ったのは、かなり大きな意味があった。ジョセフHCと英語で直接コミュニケーションして選手側の意見を伝えられるし、必要なことをチームの内外で発信していく力もある。メディアの前であえて課題を話しているのは、その方がより強いメッセージとなってチームに届くと考えているからだろう。

フィットネスやハードワークといった本質的なものは、努力の成果が出るまで時間がかかる。ただ、今回のテストマッチでもその一端は見られた。

11月4日のオーストラリア戦で大敗した後、トンガ戦までの2週間でチームを立て直せたのは、ジョセフHCが試合への準備を修正したことが奏功した。試合までの1週間の過ごし方を見直し、休養を取る日を変更。今持っているフィットネスやストレングスを十分引き出すことができたのだろう。選手の動きは6月よりもよかった。

今回の試合内容の評価については、対戦相手の力を考える必要はある。トンガのメンバーはテストマッチに出場したことのない選手が7人いた。フランスもノベス監督が解任の見込みとメディアで報じられており、選手が監督を信じてプレーしているようには見えなかった。

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