「平和賞は出発点」 東京のNGO、祝福ムード
ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に参加するNGOのピースボート(東京・新宿)の事務所では、10日午後9時前から授賞式のパブリックビューイング(PV)が開かれた。事務所には80人を超える人が集まり、祝福ムードに包まれた。
ICANの授賞理由を説明するノーベル委員会のライスアンデシェン委員長がカナダ在住の被爆者、サーロー節子さんに対して「目を背けることができないような証言をしてくれた」と謝意を告げる場面が映ると、拍手が上がった。
核兵器廃絶の活動に関わる三宅信雄さん(88)は16歳の時に広島の市内電車の中で被爆。三宅さんは授賞式を見た後のあいさつで「(7月に国連で採択された)核兵器禁止条約に核保有国は反対している。ノーベル賞受賞はスタートラインだ。核兵器をなくすために粘り強く運動を続けなければいけない」と強調した。
ピースボートは国際交流目的の船舶旅行を主催する日本のNGO。08年から航行先で原爆被爆者が核兵器の非人道性を証言する「おりづるプロジェクト」を実施。10年からICANに参加している。