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イチローの言葉でたどる17年シーズン(後編)
スポーツライター 丹羽政善

(1/2ページ)
2017/12/12 6:30
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 思わぬケガで始まったイチローの2017年シーズン。序盤は打撃が低迷。6月上旬までは打率が2割を下回っていた。ところが、6月の米ピッツバーグ遠征で、イチローいわく「見つける」と、打撃成績が上昇に転じた。前編に続き、17年シーズンのイチローの言葉をたどる。

野球界が憂うべきポイント

イチローは「速い球をショートの後ろに詰まらせて落とす技術は確実に存在する」と語る=USA TODAY

イチローは「速い球をショートの後ろに詰まらせて落とす技術は確実に存在する」と語る=USA TODAY

 「僕なんかはよく使っているテクニックだけれど、速い球をショートの後ろに詰まらせて落とすという技術は、確実に存在する。でも、チームによっては2アウト三塁で1点が入るよりも、その球を真芯で捉えてセンターライナーという方が、評価が高い。ばかげている。ありえないよ、そんなこと。野球が頭を使わない競技になりつつあるのは、野球界としてはちょっと憂うべきポイント。野球ってばかじゃできないスポーツだから。でも、ばかみたいにみえるときがあるもんね。本当に」

 大リーグでは3年前から、「STATCAST」というシステムが導入され、投手なら投げたボールの回転数、縦横の動きなどが数値化されるようになった。打者では打球の初速、打ち出し角度などがわかる。

 チームづくりにおいて、そうしたデータを重視するところも増え、従来の選手評価に変化が見られるわけだが、イチローはそうした傾向に異を唱えた。決して打球速度が速ければ、ヒットになるわけではない。

 「そこは野球のむずかしいところ、複雑なところだから。そんなの頭使わないやつにもできる。見え方がね。実際にはスイングスピード、今、打球のスピードが出るところもあるけれど、あんなこと、なんの役にも立たないことがわかるわけだよね。やってる選手にとっては」

 一部のゼネラルマネジャーらは、フィールドではなくパソコンの画面で選手を判断する。そこに技術は投影されにくい。イチローは少し寂しげだった。

 「しょうがない。そういう時代だよね。病気になったら、それを治す薬がその後しか出てこない。そういう時期なんだね」

 7月26日、イチロー対ダルビッシュが実現。およそ3年ぶりの対戦に、イチローは特別な気持ちを抱いて臨んでいた。

 「やっぱり、ダルがくるとなると、心構えというか、気持ちは全然違う。トップ中のトップ。シャーザーとか、今だったら、誰ですか? ストラスバーグとかカーショー? そういうピッチャーとやるときの気持ちというか、気構えとしてはそう。ただ、プレーすればいいという感覚にはならない。それなりの覚悟というか、そういうのが必要なピッチャーだと思います」

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イチローは「速い球をショートの後ろに詰まらせて落とす技術は確実に存在する」と語る=USA TODAYUSA TODAY

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