2019年1月17日(木)

イチロー フィールド

フォローする

イチローの言葉でたどる17年シーズン(後編)
スポーツライター 丹羽政善

(1/2ページ)
2017/12/12 6:30
保存
共有
印刷
その他

思わぬケガで始まったイチローの2017年シーズン。序盤は打撃が低迷。6月上旬までは打率が2割を下回っていた。ところが、6月の米ピッツバーグ遠征で、イチローいわく「見つける」と、打撃成績が上昇に転じた。前編に続き、17年シーズンのイチローの言葉をたどる。

野球界が憂うべきポイント

「僕なんかはよく使っているテクニックだけれど、速い球をショートの後ろに詰まらせて落とすという技術は、確実に存在する。でも、チームによっては2アウト三塁で1点が入るよりも、その球を真芯で捉えてセンターライナーという方が、評価が高い。ばかげている。ありえないよ、そんなこと。野球が頭を使わない競技になりつつあるのは、野球界としてはちょっと憂うべきポイント。野球ってばかじゃできないスポーツだから。でも、ばかみたいにみえるときがあるもんね。本当に」

大リーグでは3年前から、「STATCAST」というシステムが導入され、投手なら投げたボールの回転数、縦横の動きなどが数値化されるようになった。打者では打球の初速、打ち出し角度などがわかる。

チームづくりにおいて、そうしたデータを重視するところも増え、従来の選手評価に変化が見られるわけだが、イチローはそうした傾向に異を唱えた。決して打球速度が速ければ、ヒットになるわけではない。

「そこは野球のむずかしいところ、複雑なところだから。そんなの頭使わないやつにもできる。見え方がね。実際にはスイングスピード、今、打球のスピードが出るところもあるけれど、あんなこと、なんの役にも立たないことがわかるわけだよね。やってる選手にとっては」

一部のゼネラルマネジャーらは、フィールドではなくパソコンの画面で選手を判断する。そこに技術は投影されにくい。イチローは少し寂しげだった。

「しょうがない。そういう時代だよね。病気になったら、それを治す薬がその後しか出てこない。そういう時期なんだね」

7月26日、イチロー対ダルビッシュが実現。およそ3年ぶりの対戦に、イチローは特別な気持ちを抱いて臨んでいた。

「やっぱり、ダルがくるとなると、心構えというか、気持ちは全然違う。トップ中のトップ。シャーザーとか、今だったら、誰ですか? ストラスバーグとかカーショー? そういうピッチャーとやるときの気持ちというか、気構えとしてはそう。ただ、プレーすればいいという感覚にはならない。それなりの覚悟というか、そういうのが必要なピッチャーだと思います」

  • 1
  • 2
  • 次へ

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

大リーグコラム

関連キーワード

電子版トップスポーツトップ

イチロー フィールド 一覧

フォローする
イチローは5月3日、マリナーズの会長付特別補佐に就任した=APAP

 何を残すのか。それは必ずしも、数字である必要はない。アスリートの言葉もまた、いつか歴史上の貴重な証言となり、道しるべとなる。
 そのことを強く意識するイチローは2018年、キャンプも半ばに差し掛かった …続き (2018/11/20)

対戦を待ち望むイチロー(右)と大谷だが、2人の対戦は今季実現しなかった=共同共同

 シーズン最終日翌日の10月1日、エンゼルスの大谷翔平が右肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。これで来季、大谷がマウンドに上がることはなくなり、時速100マイル(約161キロ)を超える …続き (2018/10/29)

9月、エンゼルス戦で勝利を挙げ、へレディア(左)とタッチを交わすイチロー=共同共同

 「なんか改めて決意表明するのもおかしな感じだけれど、これが来年の春に僕が240パウンド(約109キログラム)になっていたら終わりですよ、それは。その可能性は低いと思うので、そうでなければ、終わりでは …続き (2018/10/15)

ハイライト・スポーツ

[PR]