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イチローの言葉でたどる17年シーズン(前編)
スポーツライター 丹羽政善

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2017/12/11 6:30
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思わぬケガで始まったイチローの2017年シーズン。開幕して間もない4月半ば、およそ3年ぶりに古巣マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドを訪れると、最終打席で本塁打を放ち、シアトルのファンを沸かせた。

ただ、序盤は打撃が低迷。6月上旬までは打率が2割を下回っていた。ところが、6月の米ピッツバーグ遠征で、イチローいわく「見つける」と、打撃成績が上昇に転じた。最後、代打での年間最多安打にあと1本と迫ったのは、難しい代打という役割を強いられる中での意地ではなかったか。

チームはキャンプ前から身売りに揺れ、プレーオフ出場を今年も逃した。シーズンが終わって正式に売却が成立すると、デレク・ジーター氏を中心とする新オーナー陣が大胆な再建を模索。図らずもそれは、イチローがキャンプ初日に予言したことでもあった。

17年シーズンのイチローの言葉をたどる。

「そろそろ形にしなきゃ…」

「ポテンシャルが高いチームだということはみんなが感じているし、実際、表現もするけれど、そこから(前に)進めていないので、そろそろ形にしなきゃいけないときだと思います」

外野の守備練習中にバーンズ(右)と衝突した=共同

外野の守備練習中にバーンズ(右)と衝突した=共同

マーリンズで迎えた3度目のキャンプ初日。チームには若い有望選手が多いが、もどかしいシーズンが続いていた。形にしなければ、チームの方向性が問われることになる――。イチローはそう言いたかったのだろうが、実際、その通りにことが進んでいる。今年もポストシーズン出場を逃すと、新オーナー陣は今年の最優秀選手(MVP)に選ばれたジャンカルロ・スタントンの放出さえ視野に再建の道を探っている。そんな一連の流れに逆らえず、イチローの退団も決まった。

イチローがケガをしたのは、キャンプ5日目のこと。外野で声をかけ合う練習をしているとき、ブランドン・バーンズと衝突した。本来、センターのイチローに優先権があり、イチローが声をかけた時点で右翼のバーンズは引くという練習。イチローにとってはまさに想定外で、腰と右膝を打撲した。

もっともあの後、イチローは最後まで練習を続けており、大事には至らなかったようにも映ったが、実際はそれから1週間ほど、別メニューでの調整が続いている。

ではなぜ、すぐに練習をやめなかったのか。そこにイチローの気遣いがあった。

「本当は、直後に(練習を)やめようと思ったんだけれど、かわいそうでしょ?」

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