世紀超えともる聖夜の灯 明治屋(東京・中央)
今昔まち話

2017/12/9 12:39
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「ねえ、見て見て」。キラキラした光の輪に若い女性がスマホのカメラを向けた。クリスマスソングが流れる12月、日が暮れた後の街の主役がイルミネーションだ。その原点は117年前の東京・銀座にさかのぼる。

店先を照らす明治屋のイルミネーション(東京都中央区)

日本のクリスマスイルミネーションの先駆けは、高級スーパーの明治屋(東京・中央)とされる。創業者の磯野計(はかる)がイギリス留学の体験をもとに、横浜から銀座に進出した1900年(明治33年)に始めた「クリスマス飾り」だ。

当時の具体的なデザインは不明だが、大正時代の店頭の写真が残っている。瀟洒(しょうしゃ)な建物に「MERRY XMAS」の文字。その上で、サンタクロースを描いたとみられる看板が来店客を迎える。導入した当初から年末の大売り出しとセットだった。

「明治屋のクリスマス飾り灯ともりて煌(きらび)やかなり粉雪降り出づ」。明治から大正期に活躍した歌人、木下利玄の歌は、後に高校の教科書にも載った。銀座の冬の風物詩を一目見ようと遠方から足を運ぶ人も。人気にならって周りの店もクリスマス飾りを始めるようになった。

それから1世紀。1995年に始まった「神戸ルミナリエ」などをきっかけに、街全体の活性化や観光客へのアピールを狙った大がかりなイベントも増えた。日本イルミネーション協会(大阪市)によると、十数年前からは白熱灯より消費電力が少ない発光ダイオード(LED)が主流に。最近は足で踏むと光ったり、手をたたくと色が変わったりする「参加型」が人気だという。

明治屋の銀座ストアーは2007年に閉店。1世紀以上続いた歴史は約500メートル離れた京橋ストアーが引き継いだ。今年もシャンパンゴールドの柔らかな光が師走の街を照らし、道行く人々にちょっぴり幸せな気分を届けている。

銀座・京橋のイルミネーション 明治屋京橋ストアーがある「京橋エドグラン」は高さ12メートルのクリスマスツリーと約5万球のLEDを飾る。「東京スクエアガーデン」も電飾をする。銀座では2011年から続く「ヒカリミチ」と題したイベントが開催中。中央通りと晴海通り沿いの街路灯に、花かごのようなイルミネーションをつり下げる。「ミキモト」本店のツリーも有名だ。

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