2018年9月23日(日)

日欧EPA妥結、19年発効めざす 世界貿易4割カバー

2017/12/8 23:30
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 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉が8日、妥結した。投資紛争の解決制度を除いた関税・ルール各分野で合意し、同日夜に安倍晋三首相とユンケル欧州委員長が電話協議で確認した。協定文を取りまとめて2018年夏にも署名し、19年春までの発効を目指す。

記者の質問に答える安倍首相(8日夜、首相公邸)

記者の質問に答える安倍首相(8日夜、首相公邸)

 日欧EPAは世界の国内総生産(GDP)の約3割、貿易総額の約4割をカバーする。日本が妥結した最大級の「メガ自由貿易協定(FTA)」となる。

 関税分野では、鉱工業製品と農産品を合わせて日本側が約94%、EU側が約99%を撤廃するという高い自由化水準を誇る。知的財産の保護や電子商取引の円滑化などのルール分野でも、高い水準の規律を盛り込んだ。

 安倍首相は8日の電話協議後、首相公邸で記者団に交渉妥結を表明した上で「自由で公正なルールに基づく経済圏をつくりあげる。日EUの新しい時代がスタートする」と語った。ユンケル委員長も「自由貿易の旗を掲げ続けるという強い政治的意思をしめすことができた。日欧の合意は戦略的な重要性も持つ」との声明を発表した。

 米トランプ政権の誕生で、これまで自由貿易の旗振り役だった米国が、従来の貿易枠組みに背を向けて2国間の貿易赤字解消を追い求める状況になっている。

 日本とEUは、10日からアルゼンチンで始まる世界貿易機関(WTO)の閣僚会合前に妥結を打ち出し、多国間での自由貿易枠組みが有効であることをアピールする狙いがある。

 5日からブリュッセルで開いていた非公式の首席交渉官会合では、7月の大枠合意後も積み残しの課題だった「投資紛争解決制度」を協定から分離し、関税分野を先行して発効させる方向で合意した。難航分野を切り離し、妥結を優先させた。

 関税分野では、EU側が日本産乗用車にかける関税(10%)が、協定発効から8年目でゼロになる。日本産の自動車部品も全体の92%の品目で、協定発効と同時に関税がなくなる。

 日本側は、EU産ワインにかける関税(1本当たり93円もしくは15%)を協定発効と同時にゼロにする。欧州産が強いソフトチーズは、低関税の輸入枠を作り、協定の発効から16年目に関税を無くす。

 カマンベールやモッツァレラなど特産品につける地理的表示(GI)についても、大枠合意後にどのGIを保護対象とするかで交渉が続いていたが、最終的に合意に達した。多くのブランド産地を抱えるEU側は、200以上のGIが日本側で保護されることになったと公表した。

 日本側についても「夕張メロン」や「神戸ビーフ」など30品目以上の日本産品のGIを、欧州側が保護することになった。

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