2017年12月11日(月)

ロサンゼルス自動車ショーが映す「セダン衰退」
所有からシェアへ、市場の地殻変動

自動車・機械
北米
2017/12/8 4:40
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 【シリコンバレー=兼松雄一郎】開催中の米ロサンゼルス・オートショーでは、展示フロアの目立つ一等地を多目的スポーツ車(SUV)が占拠している。2017年はトヨタ自動車日産自動車SUBARU(スバル)、韓国・現代自動車、スウェーデン・ボルボ・カーなどから、低燃費で通信や運転支援の機能を充実させたSUVの新モデル発表が相次いだ。その陰でセダンはやや存在感が薄れている。

ロサンゼルス・オートショーのフロアはSUVであふれている

トヨタ自動車もSUVを発表した(ロサンゼルス・オートショー)

 17年に入り米市場での乗用車の落ち込みは回復の兆しが見えない。11月の新車販売でも、全体が前年同月比1.3%増となる中で乗用車は9.3%減だった。セダンなど乗用車中心の品ぞろえの現代自は苦境が続いている。

 歴史的に米市場は原油価格にあわせ大型車と低燃費の乗用車の間で人気が大きく振れてきた。業界のベテランアナリスト、ミシェル・クレブス氏は「今回は原油安の環境下で業界の周期の中の調整局面。シェアサービスの影響はまだはっきりしていない」と指摘する。

 だが、コンサルティング大手KPMGのパートナー、ガリー・シルバーグ氏はそうした通常の周期にとどまらない大きな地殻変動が起こっているとみる。「いまのセダンの販売不振の一部は新たな移動サービスによるものだ。既に影響は出始めている」

 同氏は新たな移動サービスのあおりを最も受けるのはセダンとみる。「都市圏内の移動はライドシェアなどで済むため、2台目需要が消え始めている。求められるのは1台で週末に家族でアウトドアに行くのにも使いやすい車種。セダンではない」

 KPMGは匿名化されたスマートフォンの位置情報を集計し、米都市圏の移動情報を分析している。そこで観測できた乗り合い需要の爆発的な拡大を踏まえ、米国における個人所有のセダン市場は16年の540万台から30年には約6割減の210万台まで急減すると予測する。自動運転やシェアサービスで300万台程度の需要が生まれるとみており、セダンがその餌食になるとの認識に自信を深めている。

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