2017年12月13日(水)

トランプ氏、エルサレム首都認定の演説要旨「和平努力、逸脱せず」

トランプ政権
エルサレム
北米
2017/12/7 15:30
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 トランプ米大統領が6日、エルサレムのイスラエル首都認定について行った演説の要旨は次の通り。

6日、エルサレムをイスラエルの首都と認定したトランプ米大統領(ワシントン)=AP

 私が大統領に就任した時、世界の問題をこれまでにない視点と新しい考え方で見直すことを約束した。過去に失敗した戦略を繰り返しても問題の打開はできない。問題解決には新たな取り組みが必要だ。今日の発表はイスラエルとパレスチナの紛争問題への新たな取り組みの開始を告げるものだ。

 1995年に米議会はエルサレム大使館移転法案を制定し、連邦政府に米大使館をエルサレムに移転し、イスラエルの首都として認定することを要請した。この制定は党派を超えて大多数が賛成しており、半年前には上院でも全会一致で再確認されたばかりだ。

 しかし、20年以上も歴代の大統領はエルサレムの首都認定を延期してきた。

 延期の理由は安全保障問題だった。ある大統領はその時点で最良の判断を下したと言った。だが、20年以上延期してもイスラエルとパレスチナの和平が保てない。同じやり方を繰り返し、よい結果が生まれると想定するのは愚かなことだ。このため、私はエルサレムの首都認定を公式に認めることを決めた。

 歴代の大統領は選挙中の公約に掲げてきたが、だれも実行しなかった。今日、私はこれを実行する。

 この行動こそが米国の国益と、イスラエルとパレスチナの平和希求に最大の貢献ができると判断した。棚上げされてきた恒久和平合意に向けた協議を進めるものだ。

 イスラエルは主権国家であり、他の主権国家と同様に自分の首都を制定する権利を保有する。この事実を認識することは平和に到達するための必須条件だ。

 70年前にトルーマン大統領の下で米国はイスラエルを国家として認定した。エルサレムは古代からユダヤ人が首都としてきた。現在、エルサレムはイスラエル政府の所在地で、国会や最高裁判所が存在する。総理大臣や大統領の公邸、多くの官庁の本部もある。

 私が年初にイスラエル訪問の際にしたように過去、何十年にもわたり、米国の大統領、国務長官、軍司令官がイスラエルの要人たちとエルサレムで会談した。

 エルサレムは三大宗教の聖地であるだけでなく、世界の中で民主主義が成功した場所だ。過去70年にわたり、イスラエルの人々はユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒や他宗教の信者が生活と礼拝を自由におこなえる国にしてきた。

 エルサレムはユダヤ教徒が嘆きの壁に向けて祈り、キリスト教徒が十字架の道行きを歩き、イスラム教徒がアルアクサ・モスクで礼拝する場所であり続けなければならない。

 今日、我々はついにエルサレムはイスラエルの首都であるという当然のことを認識することになった。実態を認識する以外の何物でもない。

 エルサレム大使館移転法案に基づき、国務省に米大使館をテルアビブからエルサレムに移設するよう指示した。まず建築家やエンジニアを雇うことから始める。新たな大使館が竣工した際には平和に大きな貢献をすることになるだろう。

 この発表をするにあたり1つ明確にしたいことは、この決定が和平合意への努力から逸脱するような意図を持っていないということだ。我々は和平合意がイスラエルとパレスチナ両方にとって大きな収穫であることを望んでいる。エルサレムの中のイスラエル主権国家の境界線、あるいは紛争中の国境などの懸案について我々はどちらの肩も持つ気持ちはない。これは当事者同士の問題だ。

 米国は両者が合意する和平合意の促進に深く関わる姿勢を続ける。このような合意成立のためには最大の努力を惜しまない。話し合いの中でもエルサレムは最も神経質な問題なのは間違いない。両国が合意するならば、2国家共存解決についても米国は支持する。

 何より我々の最大の希望は平和で、あらゆる人間の魂の中にある普遍的な願いだ。今日の行動で米政権は未来の平和と宗教の保証を再確認する。

 この発表に反対があることも承知している。意見の不一致ともわたりあい、平和に到達できる自信がある。この聖なる都市は人類の最善の部分を引き出すことになる。昔の戦いに戻るようなことはない。

 平穏と節度と寛容の声を持ち、憎しみの提供者を圧倒しよう。我々の子どもたちは紛争ではなく愛を受け継ぐべきだ。

 中東は豊かな文化、精神、歴史を持つ地域だ。素晴らしく、尊厳のある多様で活力のある強い人々だ。輝かしい未来が虐殺、無知、恐怖にさいなまれている。

 ペンス副大統領が近々この地域を訪問し、中東中の仲間とともに未来の世代の希望を脅かす過激思想の撃退に協力することを再確認する。

 平和を望む者が過激派を追放する時がきた。意見の不一致は暴力ではなく、理性的な議論で解決する時代がきた。

 お互いを理解し、尊敬する道に立ち戻ろう。心を開き新たな可能性を探ろう。最後にイスラエルとパレスチナ、ユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒に対し、恒久平和の希求に参加することを呼びかけたい。

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