日立、がん治療事業を三菱電から買収
日立製作所は7日、三菱電機からがん治療システム事業を買収すると発表した。がん細胞に粒子線を照射し、がんだけを破壊する放射線治療装置の関連技術と販売権を買収する。三菱電の特許を取り込み、自社の製品開発に生かす狙いだ。買収額は明らかにしていないが、数十億円程度とみられる。欧米各国のほか、富裕層が増えるアジアでの受注拡大につなげる。
日立と三菱電の関連事業を統合することで合意した。日立は三菱電が手がけるがん治療装置の開発と生産、販売・保守事業をすべて引き継ぐ。三菱電が神戸市に持つ拠点と約100人いる人員の合流については、今後詳細を詰める。2018年4月に新組織を立ち上げる計画だ。
がんの粒子線治療は放射線の一種である粒子線を患部に集中照射し、がん細胞を死滅させる。従来の外科治療に比べて副作用が少ないとされ、中国や東南アジアなど新興国でも需要が急拡大している。日立は今回の買収で開発と販売を強化し、海外開拓で先行する欧米大手に対抗する。