2017年12月17日(日)

住宅街の速度規制「ゾーン30」 凸凹設置進まず
ポールでの狭さくや蛇行設備 警察庁まとめ

社会
2017/12/7 10:19
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 警察庁は7日、住宅街の車の最高速度を時速30キロに制限する区域「ゾーン30」の設定状況などを発表した。2016年度末の区域数は全国で3105カ所と、当初の目標を達成。一方で、速度を抑制する路面の盛り上がり(ハンプ)など、ハード面の対策が施されたのは設定区域の4.2%にとどまり、整備が遅れている。

車のスピード抑制のためハンプが付けられた「ゾーン30」(滋賀県草津市)

 ゾーン30は車のスピードや通行量を抑えて、歩行者らの安全を守る取り組み。効果を高める対策として、看板や路面表示による区域の明確化が全体の9割近い約2600カ所で行われた。路側帯の設置や中央線の抹消などが2割の約600カ所、一時停止などの交通規制が1割の約300カ所だった。

 ただ、より高いスピードの抑制効果が見込まれるハンプや、道幅をポールなどで一部狭める「狭さく」、蛇行させるスラロームなど道路のハード面の対策は129カ所と5%に届かなかった。

 ハード面の対策の実施主体は市や町などの自治体側。警察庁は事故防止に有効とみて16年9月、全国の警察に自治体と連携して設置を進めるよう通達したが、進んでいないのが現状だ。

 岡山市中区では13年度にゾーン30を設定したが、予算の問題やハンプによる騒音を懸念する地域住民の合意が得られにくいといった理由からハード面の対策は見送られた。岡山県警はハンプをイメージしたペイントを道路上に施したが「ドライバーが慣れることで速度抑制効果の低下が懸念される」として引き続き要請する考えだ。

 香川県でも自治体の理解は得られたものの、地域住民から「道路が通りにくくなる」「音がするのは困る」との反対意見が寄せられ、実現しなかったケースがあった。

 警察庁が埼玉、京都両府県でゾーン30の設定前後の状況を調べたところ、ハード面の対策が行われた区域では平均通過速度が4.2キロ低下。両府県の区域全体の平均(32.0キロ)を0.2キロ下回り、31.8キロまで抑えられる効果が確認された。

 歩行者が車と衝突した場合でも、時速30キロ以下では死亡事故まで至らない可能性が大きく高まる。警察庁が15年度までにゾーン30に設定した2490カ所で設定前後の事故件数を調べたところ、死亡・重傷事故の減少率は全国平均の3倍近い26.8%だったという。

 警察庁は11年、全国の警察に対し、5年後の16年度末までに3037カ所の整備を目標として整備を進めるよう通達していた。17年も約300カ所で設定が予定されている。

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