2017年12月15日(金)

「エルサレムを首都に認定」トランプ氏が正式表明

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2017/12/7 3:35 (2017/12/7 9:34更新)
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 【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は6日、エルサレムをイスラエルの首都として公式に認め、米国大使館を現在のテルアビブから移転する準備に着手するよう国務省に指示したと発表した。これらの決定は「米国の国益」であり、イスラエルとパレスチナの中東和平の進展につながるとの認識を示した。一方、アラブ・イスラム諸国は一斉に反発し、抗議デモも広がっている。

6日、トランプ米大統領は「エルサレムをイスラエルの首都として公式に認める」と表明した=AP

 ティラーソン国務長官はこれを踏まえ、「直ちに移転の準備を始める」との声明を出した。具体的な移転時期は明示していないが、米政府高官は数年かかるとの見通しを示している。エルサレムを首都として認めていないアラブ諸国は反発を強めており、中東情勢は緊迫の度を増してきた。

 米議会は1995年に大使館移転を求める法律を制定した。トランプ氏はホワイトハウスで読み上げた声明で、歴代の米政権が和平交渉への影響を考慮してこの法律の執行を20年以上も延期し続けてきたにもかかわらず「恒久的な和平合意に近づいていない」と指摘。「同じやり方を繰り返して良い結果が生まれると考えるのは愚かだ」として「新しいアプローチを始める」と語った。

 エルサレムにイスラエルの政府機関が集中し、歴代の米大統領らがエルサレムでイスラエル首脳と会談してきたことなどに触れ「現実を認識することだ」と述べ、首都認定は妥当との考えを示した。

 パレスチナが東エルサレムを将来の独立国家の「首都」と主張していることを念頭に、エルサレムの帰属は「とても敏感な問題だ」とも言及。今回の決定は「エルサレムの最終的な地位についての我々の見解を示すものではない」とし、結論は関係者の協議に委ねる考えを示した。

 中東和平交渉については「双方が受け入れ可能な和平合意の達成に向けて深く関与する」と改めて意欲を表明。双方が望めばパレスチナ国家とイスラエルとの共存をめざす「2国家共存」も支持する考えを示した。

 近くペンス副大統領を中東に派遣し、各国首脳と過激主義の打倒に向けて協調を確認する考えを明らかにした。今回の決定に関してアラブ諸国に「意見の相違や不満はあるだろう」としながらも「最終的にはこの不一致を乗り越えられる」と理解を求めた。

 首都認定について、過去の米大統領が選挙公約にしてきたが「実行してこなかった」と批判。「私は実行に移す」と力説し、実行力をアピールした。

 ただ、米国の決定にパレスチナ側は強く反発しており、パレスチナ自治政府のアッバス議長は「エルサレムは(将来の)パレスチナ国家の首都だ」と表明。パレスチナ自治区のガザでは、人々が米国旗を燃やすなどデモを展開した。米と対立するイランやトルコなどもこぞって非難し、事態は混迷を深めている。

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