2017年12月11日(月)

NHK、問われる公共性 受信料支払い 圧力増す
最高裁が「合憲」判決

ネット・IT
2017/12/6 23:25
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 最高裁の6日の判決はNHKの受信契約義務を合憲としつつも一方的な徴収には歯止めをかける内容だ。NHKはこれを受け、未納者に対する法的措置を増やすほか、公共放送からネットと融合した「公共メディア」への転換を加速する公算が大きい。受信料徴収や事業の拡大について国民への丁寧な説明が欠かせなくなる。

公共放送から「公共メディア」への転換を加速しそうだ(東京・渋谷のNHK放送センター)

 大法廷判決は公共放送としてのNHKの役割を評価し、受信料制度を合憲と結論づけた。NHKの主張に沿った判断で、受信料徴収に追い風となる。しかし、申込書類を送りつけるだけで契約が成立するとのNHKの主張は退けた。裁判を経ない一方的な徴収は認めなかった。

 合憲判断を受け、現在80%弱の徴収率は高まるとみられる。契約を拒む人から徴収するには今後も個別に裁判を起こさなければならないものの、合憲判断が広く浸透すれば無形の支払い圧力が強まるとNHKはみる。最高裁はワンセグ付き携帯電話が受信設備に当たるかには触れなかった。

 裁判が事業に与える影響は大きい。策定中の2018~20年の中期計画では放送と同じ番組を同じ時間にネット配信する常時同時配信を盛り込むもようだ。民放各局はNHKが受信料を背景にした豊富な資金で民業を圧迫すると懸念している。

 受信料を広く集めるNHKはそもそも収益性が高い。17年中間期には企業の純利益に当たる事業収支差金が280億円と前年同期比6%増えた。今回の判決により、さらに積み上がると予想される。合憲判断を得た今、剰余金の使途も含め公共放送としてのあり方がこれまで以上に問われる。

 判決を受け早稲田大の上村達男教授は「受信料を徴収してよいというだけの判断ともいえる。国民が受信料を負担するに値する公共放送とは何かが真剣に議論されるべきだ」と話す。野田聖子総務相は「丁寧に公平負担の確保に向けた取り組みを推進することを期待する」とコメントした。

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