2017年12月17日(日)

グーグル、アマゾン外し ユーチューブ遮断

ネット・IT
北米
2017/12/6 22:32
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 膨張する米アマゾン・ドット・コムに米グーグルが「待った」をかけた。グーグルは5日、同社の製品をアマゾンが適切に販売していないとして動画サービス「ユーチューブ」をアマゾン製品で見られなくする措置をとった。検索と小売りでネット市場を牛耳る両社。スピーカーや動画配信など成長分野に手を広げる過程で2強のつばぜり合いが激しくなってきた。

アマゾンが米国で発売するモニター付き音声応答端末「エコー・ショー」では、ユーチューブの閲覧ができなくなった

アマゾンが米国で発売するモニター付き音声応答端末「エコー・ショー」では、ユーチューブの閲覧ができなくなった

 ユーチューブの閲覧を遮断したのは、アマゾンの画面付き人工知能(AI)スピーカー「エコー・ショー」。テレビ向けのネット配信端末「ファイアTV」でも2018年1月1日からユーチューブを見られなくする。

 万人に開かれたネットにつながっていても、アマゾンの端末ではユーチューブを閲覧できないという異例の強硬措置。理由はアマゾンによる露骨な「ライバル外し」だ。

 グーグル広報はこの日「アマゾンは(ネット動画をテレビで視聴する端末)『クロームキャスト』や(AIスピーカー)『グーグルホーム』を扱っていない」と製品名を列挙した声明を出し、同社の主力ハード製品がアマゾンに排除されていると主張した。

 あわせてグーグルのテレビ向けネット配信で、アマゾンの動画サービス「プライムビデオ」が見られない点も問題視。11月にはグーグル系のスマートホーム関連機器メーカーの一部製品がアマゾンによって販売を止められたとした。

 アマゾンにとってはいずれの製品も自社と競合関係にある。自社製品の販売を優先するためにグーグル製品をあえて「仕入れ」ないようにしている可能性が高い。米アップルのテレビ向けネット配信端末「アップルTV」もアマゾンは取り扱っていない。

 ネット検索で急成長したグーグルと、ネット小売りで膨張を続けるアマゾン。祖業では直接競合しないが、それぞれハードウエアやコンテンツ配信などに事業を広げるうちに競い合う場面が増えてきた。スマートフォンの次を担う端末とされ、陣取り合戦が過熱するAIスピーカーだけでなく、クラウドでも両社はライバル関係にある。いずれもアマゾンがシェアは上で、グーグルの追い上げを意識している。

 動画配信ではユーチューブが米国で最も人気があり、アマゾンのプライムビデオとはユーザーを取り合う関係。ネット小売り最大手のアマゾンがその地位を利用してライバルつぶしをはかるなか、グーグルはユーチューブというカードを切って迎え撃つ形だ。

 情報技術(IT)産業では技術のトレンドが変わるたびにこれまでも猛烈な陣取り合戦が繰り返されてきた。ネット閲覧ソフトで資金力のあるマイクロソフトに敗れたネットスケープのように市場から姿を消した例も多い。グーグルとアマゾンの場合、両社とも「敵無し」と言われる祖業が盤石だ。資金力もともに圧倒的で勝敗は簡単には決しない。

 グーグルが遮断対象の機器を増やすなど対立がさらに激化すれば、両社の製品やサービスの利用者から反発を招く可能性もある。ただ、アマゾンもグーグルに対し批判的な姿勢を強めており、歩み寄りへの道は険しい。

(ロサンゼルス=中西豊紀)

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