都議会、知事を追及 入札改革に批判強まる
東京都議会の6日の代表質問では、衆院選で国政新党を率いた小池百合子知事への風当たりの強さが鮮明になった。衆院選を機に知事との連携を解消した公明党は知事が力を入れた入札改革について、都政の停滞を招いているとして「見直すべきだ」と主張。自民党も「間違った制度変更であったと認識すべきだ」などと知事批判を展開した。

10月の衆院選で小池知事は新党を立ち上げて代表に就いた。現在は代表を退いているが、今なお「都政を踏み台にした」との批判がくすぶる。知事が事実上率いる都議会第1党の都民ファーストの会も及び腰ながら「都政に一層専念することを期待する」と要望。知事は「自らを厳しく省みて改めて都民第一で都政に専念する」と答弁した。 第2党の公明党は「小池離れ」の姿勢がじわり。まず「これまで着手した改革について見直すべきものは見直すべきだ」と提言した。特に入札制度改革を巡り「都政の停滞という不安を惹起(じゃっき)している」と指摘。豊洲市場の安全対策の追加工事の入札がなかなか進まないことへの危機感をにじませた。
これに対し、小池知事は「改革は始まったばかり。さらに検証を進めていくことが重要。よりよい制度の構築に取り組んでいく」などと述べるにとどまった。今後、外部有識者を集めた委員会などで検証を重ねる。
かねて知事と対立する第3党の自民党は批判のトーンをさらに強めた。「都政の積み重ね、継続性を全く無視し、自らの思いつきで都政を混乱させてきた」と指弾。入札改革については「失敗は明白。悪影響は都政全般に及びかねない」と警鐘を鳴らした。豊洲市場への移転と連動する2020年五輪・パラリンピックの準備などへのしわ寄せを懸念している。
自民党は地方消費税の配分で東京都など大都市圏の取り分を減らす国の税制改正方針にも言及。小池知事が衆院選で唱えた消費増税凍結が議論の引き金になったとの見方を示して「猛省していただきたい」と注文した。
知事は「都政を預かる者として強い懸念を抱いているのは同じ」と応じた。そのうえで「必要なことは、限られた財源を地方間で奪い合うのではない。地方税財源全体の充実、強化を図ること」との持論を展開した。一連の答弁に対して議場からは「百の言葉より一つの結果」とヤジが飛んだ。
豊洲移転や税制改正などに加え、18年度予算の編成など懸案が山積する状況での逆風。今後、年末年始にかけてが小池都政の正念場となりそうだ。