2018年12月17日(月)

JOLED 住化が出資、ソニーなど追加検討 有機EL量産へ
量産投資へ1000億円調達、道半ば

2017/12/7 2:00
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パナソニックソニーの有機EL事業を統合したJOLEDに住友化学が出資することが明らかになった。生産設備を手掛けるSCREENホールディングスや母体企業のソニーとパナソニックも出資を検討している。JOLEDが量産工場新設のため実施する増資を引き受ける。ただ、各社の出資額は1社あたり50億円程度にとどまり、目標とする1000億円を集めるには海外勢の出資受け入れが必要になる公算もある。

JOLEDは独自の低コスト生産方式で有機ELパネルを量産するための大型投資を計画している。もともと主要株主のジャパンディスプレイ(JDI)が投資資金を負担する予定だったが、液晶パネルの不振で資金繰りが悪化。このためJOLEDは自ら数十社の国内企業に資本参加を要請し、2018年3月末までに総額1000億円を集める計画を進めている。

国内数十社のうち、有機ELパネルの材料をJOLEDに納入する住化が出資する方針を固めた。生産設備メーカーのSCREENホールディングスも前向きに検討しているもようだ。両社はJOLEDと関係を深めて自社製品の拡販につなげる狙いがある。

JOLEDは同社株を5%ずつ保有する母体企業のパナソニックとソニーにも追加出資を要請。両社は社員がJOLEDに転籍した関係もあり、追加出資に向けた検討を進めている。ただパナソニックは自社で高精細液晶パネルを手掛けており「競合関係となる」(同社幹部)ことから慎重な意見もある。

JOLEDは同じく競合関係にあるシャープにも出資を要請している。有機EL事業で先行する韓国勢への対抗軸となることを目指し、両社が協業する可能性もある。ただ、国内パネルメーカーは今やJDIグループとシャープのみ。両社が資本提携するには独占禁止法の審査が必要となる可能性もあり、出資実現のハードルは高そうだ。

現在は国内企業に出資を呼びかけているものの、目標とする18年3月末までに1千億円を確保できるかは不透明だ。目標額が集まらなければ海外企業に対象を広げる可能性もある。海外ではJOLEDの印刷技術を取り込みたいパネルメーカーが有力候補となる見込みだ。

有機ELパネルで圧倒的なシェアを持つサムスン電子とLGディスプレーの韓国勢は、発光材料を気化させて基板に付着させる「蒸着方式」を採用している。JOLEDの「印刷方式」は発光材料をプリンターのように微細に塗り分けることで装置費用と材料ロスを大幅圧縮できる特徴がある。蒸着方式に比べ製造コストを2~3割下げられるという。

JOLEDは事業化に向けて5日に試作ラインで生産したパネルを初出荷したばかり。次の量産に移行するためには多額の資金が必要となる。ただ増資引き受けを打診した企業の中には「株主に説明できない」と検討すらしなかった企業も多いのが現状だ。JOLEDが量産ステージに進むためにはまだ高いハードルが残っている。

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