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IOC、平昌五輪からロシア排除 国ぐるみの不正認定

2017/12/6 23:30
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【ローザンヌ=細川倫太郎】国際オリンピック委員会(IOC)は、2018年2月の平昌冬季五輪へのロシア選手団の参加禁止を決めた。国ぐるみの組織的なドーピング不正を認定。16年のリオデジャネイロ夏季五輪で「弱腰」と批判されたことも踏まえ、国ごと排除する厳しい制裁を下した。五輪史上でも重い決定は他のスポーツの大会にも影響を与えそうだ。

「IOCは政治的に完全に中立だ。証拠はそろっていた」。5日、理事会後の記者会見でトーマス・バッハ会長は、今回の決定に自信を示した。

潔白な選手には「ロシア出身の五輪選手」として国名が入ったユニホームを着て個人参加を認める。ただし、国旗掲揚はなく、国歌もなし――。国としての参加は禁止という厳しい判断を下した理由はいくつかある。

一つは組織的な不正を証明する十分な証拠がそろっていたことだ。

調査委員会は17カ月間にわたり、14年のソチ冬季五輪のロシア選手団に関するデータを調べ、科学的根拠を集めてきた。「このような巧妙な手口は見たことがなく、五輪の精神をむしばむものだ」と調査を指揮したシュミット委員長は言う。

マクラーレン氏の報告書

マクラーレン氏の報告書

世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査官マクラーレン氏も16年に不正の手口を暴いた報告書を発表しており、IOCはその内容について「妥当性は高い」との判断を示した。

これまでに、ソチ五輪のドーピング検査場で、巧妙な手口でロシア選手の尿検体がクリーンな検体にすり替えられていたことなどが判明している。一連の工作にはロシアの連邦保安局も加担するなど、国ぐるみの不正があったことも分かった。

今年11月末には、ロシアのドーピング検査機関の元所長のロドチェンコフ氏が、政府関係者らと話し合ったドーピング計画の詳細を記した日記の存在を米紙が報道した。

厳しい決定の背景にはリオ五輪での対応を巡る反省もある。国際パラリンピック委員会(IPC)がロシア選手を全面的に除外したのに対し、IOCは各国際競技団体に判断を委ねた。この「丸投げ」の決定に欧米や各国の反ドーピング機関から「責任を回避している」「弱腰だ」といった批判が相次いだ。

五輪そのものの人気低下も大きい。近年、開催地に立候補する都市は減り、24年夏季五輪の招致レースではローマやブダペストが相次いで撤退した。莫大な財政負担だけでなく、ロシアのドーピング問題によるイメージ悪化の影響も否定できない。五輪の存続には断固とした姿勢を示すことが不可欠だった。

ロシアにはフィギュアスケート女子のエフゲニア・メドべージェワ選手らメダル候補の有力選手も多い。プーチン大統領は6日、ロシア人選手が個人資格で参加するのを「邪魔することはない」と強調。五輪へのボイコットも否定した。結果として多くのロシアの選手が五輪に参加する可能性もある。

国ごと排除する今回の決定は、今後のスポーツ大会にも大きく影響しそうだ。サッカー関係者の間では18年のサッカーワールドカップ・ロシア大会への影響を懸念する声も聞かれる。

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