2017年12月17日(日)

医療・介護、効率化に報酬手厚く 18年度改定方針

税・予算
経済
2017/12/6 22:40
保存
共有
印刷
その他

 厚生労働省は6日、2018年度の診療・介護報酬改定に伴う制度改正の基本的な方針をまとめた。重症者向けの病床で軽症者を多く受け入れる病院の報酬を減らし、介護を受ける人を自立させる取り組みは報酬を手厚くする。団塊の世代が75歳以上になり社会保障給付が急増する25年に向けて制度の無駄を見直すが、利用者の負担増になる施策は見送りも目立つ。

 同日に開かれた医療と介護に関する社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会に制度改正の基本的な方針がそれぞれ示された。診療報酬は医療サービスや医薬品、介護報酬は介護サービスの公定価格で、18年度は6年に1度の同時改定となる。

 まず着手するのが病床の再編だ。高齢化社会では重症患者が入る急性期病床よりも、リハビリを通じて在宅復帰を目指す回復期病床が多く必要だ。しかし現状は急性期病床が全体の約6割を占めている。急性期病床は看護師らの人数が多く高い報酬を払っており、軽症者が利用すると無駄な報酬につながる。

 18年度からは提供する医療の実績に応じて支払う額を決める。手術には至らないような軽症者が多い病院は報酬が減る見通しだ。

 大病院と診療所の役割分担も進める。紹介状なく受診すると5000円の追加負担になる大病院を、来年度から5割増やして約400病院に広げる。軽症の患者は地域の診療所に誘導し、大病院は深刻な患者の治療に集中できるようにする。

 情報通信機器を使った遠隔診療には手厚く報酬を配る。生活習慣病の予防や容体が安定した患者の体調管理に活用する。薬価は21年度から毎年改定することを決めた。

 介護ではリハビリによって心身の状態を改善するなどの成果を上げた場合に報酬を手厚くする。一方で過剰な訪問介護を減らすために、集合住宅で隣接の事業所からサービスを受ける人の利用回数を減らす。大規模な通所介護(デイサービス)事業所は収益率が比較的高いことから、報酬を減らす方針だ。

 ただ、見送りとなった項目も多い。財務省はかかりつけ医を国民一人ひとりにひも付けて、それ以外の医療機関を受診したときの定額負担の導入が必要だと主張したが、実施は見送ることになった。75歳以上の窓口負担を今の原則1割から引き上げる案も議論は進まなかった。

 利用者の家を訪問し掃除や調理を手掛ける生活援助は、過剰な利用が目立つとして利用回数の上限設定を設ける声があったが、見送られた。

 税や保険料で賄う社会保障給付費は、25年度に足元から30兆円以上増えて約150兆円になるとの推計もある。効率化が急務だが、今回も抜本的な負担見直しは先送りとなっており、改革の遅れが懸念される。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

厚生労働省介護報酬介護介護サービス



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報