/

河川の水位計を倍増 国交省が九州豪雨受け緊急対策

日経コンストラクション

国土交通省は、2017年7月の九州北部豪雨後に実施した中小河川の緊急点検を踏まえ、2020年度までの3年間で低コスト水位計の設置や砂防堰堤(えんてい)の整備など事業費3700億円に上る緊急対策を実施する。

中小河川緊急治水対策プロジェクトの概要(資料:国土交通省)

対象は都道府県管理の河川で、防災・安全交付金などを活用する。まずは12月末までに閣議決定される2017年度補正予算に、事業費の一部を盛り込む考えだ。12月1日に事業の概要を発表した。

実施する緊急対策は(1)危機管理型水位計の設置、(2)透過型砂防堰堤などの整備、(3)河道掘削と堤防整備の3つ。なかでも、今回の対策で新たに推進するのが(1)の危機管理型水位計の設置だ。

自治体が住民に避難勧告などの指示を出す際には、判断材料となる河川の水位情報が欠かせない。しかし、全国の中小河川では水位計の設置が進んでおらず、洪水時に河川の状況をなかなか正確に把握できない。

そこで国交省は、洪水時の計測だけに機能を限定した安価な「危機管理型水位計」を採用して、設置数を大幅に増やすことにした。危機管理型水位計は、コストが従来型の10分の1以下(1台当たり100万円以下)で、無給電で5年以上稼働する。

安価な「危機管理型水位計」を採用(資料:国土交通省)

現在、都道府県管理の河川では約5200カ所に従来型の水位計が設置されている。今後、全国約5000河川の5800カ所に、事業費約110億円を投じて危機管理型水位計を設置する。

九州北部豪雨では流木による被害が目立ったことから、流木対策として透過型の砂防堰堤の整備にも力を入れる。このタイプの堰堤は、鋼製スリットなどを通して通常は水を流しながら、洪水時に流木や土砂を捕捉する。全国約500河川の700渓流に、事業費1300億円で透過型砂防堰堤などを整備する。

流木対策として透過型の砂防堰堤を整備(資料:国土交通省)

なお、国交省の対策と併せ、林野庁も土砂・流木対策として、今後3年間に事業費600億円を投じて透過型砂防堰堤の整備や間伐、流路部の立木伐採などを実施する。

河道掘削や堤防整備で河川の氾濫防止(資料:国土交通省)

そのほか、国交省では浸水家屋が多いなど氾濫防止が特に必要な約400河川の計300kmの区間で、河道掘削や堤防整備を実施して河川の流下能力を高める。事業費は2300億円。

(日経コンストラクション 青野昌行)

[日経コンストラクションWeb版 2017年12月6日掲載]

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン