2018年1月19日(金)

ロヒンギャ迫害「強く非難」 国連人権理が決議採択
中国など反対 日本は棄権

東南アジア
2017/12/6 10:34
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 【ヤンゴン=新田裕一、ジュネーブ=細川倫太郎】国連人権理事会は5日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害問題を議論する特別会合をジュネーブで開き、「ミャンマーにおける組織的かつ大規模な人権侵害を強く非難する」との決議を賛成多数で採択した。隣国バングラデシュに逃れた難民の安全な帰還や、同理事会が設置した国際調査団への全面的な協力を要求した。

 決議案はバングラデシュやサウジアラビアなどが提出。全会一致での決議を目指したが、中国やフィリピンなど3カ国が反対し、日本やインドを含む9カ国が棄権した。日本は「事実調査は必要だとの認識は共有するが、どのように実施するかはミャンマー政府との対話が必要だ」と説明した。

 会合冒頭で演説したゼイド国連人権高等弁務官は、人がいる家屋への放火や無差別発砲、性的暴行などの証言に言及。「ジェノサイド(民族虐殺)の要素がないと誰が言えるだろうか」と述べ、国際法上の犯罪にあたるとの疑念を提起した。

 ミャンマーでは8月、西部ラカイン州でロヒンギャ系武装集団が治安部隊を襲撃する事件が発生。当局は掃討作戦を展開し、その影響で62万人以上の住民が隣国のバングラデシュに避難した。

 採択された決議は、難民が「先祖代々の土地」に安全に帰還できるよう保証することをミャンマー政府に求めた。ロヒンギャの国籍を認めない現行の国籍法を改正し、参政権などの権利を平等に認めるよう迫った。

 ミャンマーの人権問題で特別会合が開かれるのは10年ぶり。前回は反軍政デモに対する弾圧を取り上げ、現政権トップのアウン・サン・スー・チー氏の軟禁解除などを求める決議を採択した。

 今回の会合では米国が治安部隊による迫害を「計算された民族浄化」と述べるなど、欧米やイスラム諸国から非難が相次いだ。中国は「問題解決に向けたミャンマーの取り組みを支持する」と擁護した。ミャンマーは決議案について「一部は国家主権の侵害であり、一部は事実とほど遠い」と反論。バングラとの難民帰還の合意など同政府の対応に理解を求めた。

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