2017年12月18日(月)

米大統領、エルサレム首都認定へ 大使館移転も6日表明

エルサレム
中東・アフリカ
北米
2017/12/6 11:00
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 【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は6日、エルサレムをイスラエルの首都として公式に認め、米国大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転する方針を表明する。国際社会やアラブ諸国はエルサレムを首都として認めておらず、アラブ諸国の反発は必至だ。中断している中東和平交渉の再開がさらに遠のき、地域を不安定にする懸念がある。

 トランプ氏はこれに先立つ5日、パレスチナ自治政府のアッバス議長やイスラエルのネタニヤフ首相ら中東各国の首脳と相次ぎ電話協議した。ホワイトハウスはトランプ氏が各国首脳とエルサレムに関して「想定される決定事項」について協議したと発表した。複数の米メディアによると、トランプ氏はアッバス氏に大使館の移転方針について伝えた。

 サンダース大統領報道官は5日の記者会見で、トランプ氏が6日に大使館移転に関する判断を発表すると明らかにした。移転時期については明らかになっていないが、トランプ氏はエルサレムの首都認定と大使館移転を表明したうえで、米国務省に対し移転に向けた手続きに入るよう指示するとみられる。

トランプ大統領の方針は中東地域を不安定にする懸念がある
=ロイター

トランプ大統領の方針は中東地域を不安定にする懸念がある
=ロイター

 トランプ氏は大使館移転を大統領選の公約の一つに掲げている。イスラエルはエルサレムを「永遠の首都」と主張しているが、パレスチナは東エルサレムを将来の独立国家の「首都」と考えている。東エルサレムは1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領した経緯もあり、アラブ諸国や国際社会はイスラエルの主張を認めておらず、各国はテルアビブに大使館を置いている。

 米議会は95年にイスラエルの米大使館移転を求める法律を制定した。ただ、歴代米政権は「安全保障上の問題」として、執行を大統領令で延期してきた経緯がある。

 政府高官は大使館移転問題について「移転するかどうかではなく、いつ移転するかの問題だ」として、移転は既定路線だとの認識を示してきた。トランプ氏にとっては、支持率が低迷するなかで公約実現を支持層にアピールする狙いがある。

 トランプ氏は就任後、初の外遊となった中東歴訪などでイスラエルとパレスチナの中東和平交渉の仲介に意欲を示してきた。ただ、今回の方針決定でアラブ諸国は反発を強めている。交渉はオバマ前政権下の2014年に中断されたままだが、交渉再開の機運をそぐのは確実だ。

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