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商品市場にチャイナ・ショック

2017/12/6 9:35
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 銅価格が昨晩の欧米市場で4%超急落した。この2年間で最大級の下げ幅だ。きっかけは取引所在庫の予想外の積み上がり。その背景には中国需要の減退観測がある。

筆者が講演した上海でのセミナー風景。会場内は投資初心者たちの熱気が充満していた。

筆者が講演した上海でのセミナー風景。会場内は投資初心者たちの熱気が充満していた。

 金価格も急落。北朝鮮緊迫、ロシアゲート再燃などで一時は1トロイオンス=1300ドルの大台をうかがう動きもあったが、1260ドル台にまで下がった。中国では、春節が年間で最大の需要期なので、年末から宝飾品製造向け金地金の仕入れが活発化するのだが、今年は消費者の動きが読めないと上海の宝飾業者は不安げだ。

 銅と金のダブル安につれて、亜鉛、ニッケル、銀、プラチナ、パラジウムのメタル価格も下落している。

 銅も金も中国が最大の需要国だ。特に、銅は産業分野から消費分野まで需要構成が多岐にわたるので、その価格は中国経済の体温計とも言える。

 市場が神経質になるのは、やはり習近平(シー・ジンピン)指導部が打ち出してきた金融構造改革が顕在化しているからだ。すでに金融機関への締め付けを強化して、消費者ローンへの規制強化などに動いている。一連の不動産投機規制も、消費者心理を冷やす。

 さらに、金融引き締めは銅在庫のコスト増を招く。

 最近の上海株式市場の異変により、企業マインドも一段と慎重になっている。中国の累積債務問題においても、民間企業部門は最大規模の債務をかかえる。それだけに金融締め付けはボディーブローのごとく重く効く。

 マクロ的には、退任が近い中国人民銀行の周小川総裁が、10月19日に「ミンスキー・モーメント」という表現を引用して中国債務問題に警告を発したことがビジネス界ではいまだに尾を引いている。筆者は中国の銀行アドバイザリーを務めたときの元同僚たちから、同発言についての意見をしきりに聞かれる。

 ちなみに、ミンスキー・モーメントとは債務の悪循環により信用市場がクラッシュして経済が縮小することで、ミンスキーは米国の経済学者の名前だ。

 この発言は、債券市場にも心理的影響を与え、中国10年債利回りが4%近くに高止まりしている要因の一つにもなっている。本日の上海株式相場で、上海総合指数は3300の節目を割り込んでいる。

 かくして、株式、債券、商品市場でチャイナリスクがジワリ顕在化しつつある。2018年に経済成長と構造改革の綱渡りを強いられる中国経済のリスクを先取りするかのごときマーケットの動きとも言えよう。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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