2017年12月18日(月)

ツイッター、月額固定の広告サービス 手間省き顧客獲得へ

ネット・IT
AI
2017/12/6 0:00
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 米ツイッターは6日、広告主の手間を省ける月額9900円の広告サービスを日本で始めると発表した。企業の公式アカウントのつぶやきを広告として自動配信する。代理店を通さないため割安に出稿できる。大口の広告主をフェイスブックなどが囲い込むなか、中小・中堅企業でもネット広告を出しやすくなる新サービスを投入し、顧客企業の裾野を広げる。

 新しい広告サービスの名称は「オートプロモート」。企業の担当者が公式アカウントに新商品情報や動画広告、ホームページへのリンクなどを投稿すると、既存のフォロワーと似た属性の人に、1日10件のツイートが広告として配信される。

 配信対象をその都度細かく設定する手間が省け、運用担当者の負担が軽減される。米国では11月にサービスを開始したが「翌月も契約を継続する企業が多かった」(ツイッタージャパンの森田謙太郎氏)という。

 企業が自ら投稿する広告サービスは交流サイト(SNS)各社が提供しているが、投稿までの手間が多く運用担当者の負担になっていた。広告代理店経由で投稿する仕組みの場合、土日のイベントの告知を当日するなど柔軟な運用が難しかった。

 ツイッターは2013年の上場以来、赤字が続く。15年に創業者のジャック・ドーシー氏が最高経営責任者(CEO)に復帰しテコ入れを進めた結果、毎日利用する人の数は2ケタの伸びが続き、17年7~9月期は最終赤字が2109万ドル(約24億円)と前年同期から大幅に赤字が縮小した。

 業績回復には日本市場の貢献も大きい。日本は4500万人と全体の10%を超えるユーザーを抱え、売上高では15%を占める、ツイッターにとっての「金城湯池」。新サービスの投入も米、英に次ぐ3カ国目だ。

 新サービスの導入は一般利用者にとっては広告表示の増加につながり、広告表示が多すぎると見にくくなり、利用者離れを招くリスクがある。ツイッターでは広告をクリックしない人に見せる広告の量を減らして利用者の不快感を軽減している。

 16年の米大統領選を巡る「フェイクニュース」問題を背景に、市場拡大が続いたSNS広告全体に変化の兆しが出ている。

 米国の広告調査会社メディアレーダーによると大口のデジタル広告出稿企業だった米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や英蘭ユニリーバがデジタル広告を削減し、テレビなどのマス広告に回帰しているという。削減の理由はデジタル広告の「不透明性」だ。フェイクニュースの投稿などに広告が出れば、ブランドを毀損してしまう恐れがあるからだ。

 ツイッターも人工知能(AI)などを駆使し、フェイクニュースなど不適切な投稿の撲滅に力を入れている。ただ、規制を厳しくしすぎると、ツイッターの特徴である匿名ならではの自由さを損ないかねない。自由と規制のバランスを取り、透明性、信頼性を高められるか。ツイッターが上場以来の黒字化を達成し、さらに成長するには慎重な手綱さばきが要求される。

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