土地分譲と水道事業を統合 千葉県が19年度に

2017/12/5 22:00
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千葉県は5日、県の造成地を分譲・管理する企業土地管理局を2018年度末で事実上廃止し、水道局と統合する方針を明らかにした。事業規模が年々縮小しており、単独での存続は非効率だと判断した。前身の県企業庁は幕張新都心など数々の大型開発プロジェクトを主導した歴史がある。企業土地管理局の廃止により、工業用地や住宅地の供給を専門とした公営企業は姿を消す。

前身の県企業庁は幕張新都心の開発を主導した

森田健作知事が同日の県議会本会議で武田正光氏(自民党)の質問に答え、両局を19年度に統合する方針を表明した。森田知事は「企業土地管理局には処分できそうな土地がまだ残っているが、単独の企業体として存続するほどの業務量にはならない」と説明した。

企業土地管理局は旧企業庁の業務を引き継ぎ、16年4月に発足した。15年度末時点で575ヘクタールの土地を保有していたが、工業用地や住宅地の分譲が進み、18年度末には350ヘクタール程度に縮小する見通しだ。

廃止にともない、企業土地管理局が県有地の売却などで得た322億円(18年度末見込み)の資金のうち、大規模災害の対策費として必要な分を除く270億円を県の一般会計に繰り入れる。森田知事は「道路や橋梁の長寿命化をはじめ、県の社会基盤整備に活用したい」と話した。

企業土地管理局は146人、水道局は1015人(4月1日時点)の職員を抱えている。統合後は総務や人事、給与管理といった間接部門を一本化することで、人件費の抑制効果を期待できる。統合後の組織形態は今後詰めるが、名称は「水道局」以外に変わる可能性もある。

戦後の人口増加や都市開発の進展に対応し、千葉県は1959年に庁内に開発部を設置し、県主導の大型開発事業に乗り出した。63年には地方公営企業法に基づく千葉県開発局に改組。その後も組織改正を重ね、74年に企業庁が発足した。

この間、京葉臨海工業地帯の造成や幕張地区の埋め立て、千葉ニュータウンの開発などさまざまな大型プロジェクトを展開。臨海部を中心に石油化学や鉄鋼業など数多くの企業を誘致し、住宅地も東京のベッドタウンとして成長した。

企業誘致に大きな成果を挙げた一方、企業庁時代の苦戦ぶりを象徴するのが千葉ニュータウン事業だ。用地買収や分譲が難航し、開発規模を段階的に縮小。計画人口は14万3000人と当初計画に比べて6割近く下方修正したが、実際の居住人口は9万8000人(10月末)にとどまる。企業土地管理局は水道局との統合前に土地を完売したい考えだが、実現のメドは立っていない。

2000年代以降は日本経済の長期低迷や人口増の鈍化が響き、企業庁の経営は悪化。12年度には土地の新規造成から撤退し、土地の分譲や賃借に事業を縮小した。

後継組織である企業土地管理局が看板を下ろすことで、千葉県の経済発展を支えた旧企業庁は名実ともに役割を終える。

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