2017年12月11日(月)

ニットー、外科医向け「歩けるイス」 手術の負担軽減

ヘルスケア
2017/12/6 6:30
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 部品設計のニットー(横浜市、藤沢秀行社長)は2018年春、外科医の足に取り付けて立ち姿勢の手術をサポートする製品「アルケリス」を発売する。椅子のような感覚だが、装着したまま歩ける。約30万円で、病院や卸業者から1000件の問い合わせがある。19年にも米国や中国で販売する方針だ。

 同社はアルケリスの基本形を15年に開発した。市場調査と改良を進めて発売することになった。日本では外科医の利用を想定している。

医師が楽な姿勢を保ちながら手術できる

医師が楽な姿勢を保ちながら手術できる

 記者も装着してみた。下肢に装着し、中腰になると椅子に座った状態になる。鏡で装着した様子を確認すると、立ち姿と大きく変わらない。すねと大腿部にクッションがフィットする。体重がすねと大腿部の方向に分散されて、体幹が安定しているのだという。装着したまま自由に歩るくこともできた。

 電気機器は使っておらず、病院内の電波に影響を与えないように配慮した。大腿部やすねの位置は個人で調整できる。縦78センチメートル、幅40センチ、奥行き30センチで、重さは5キログラム。

 外科医のなかでも、まずは腹部に小さな穴を開けて内視鏡を入れる腹腔(ふくくう)鏡手術をする医師に利用してもらいたいという。同手術は患者への負担が小さい一方、手術時間は平均5~6時間と従来の切開手術より長く、医師の負担が大きい。

 通常の手術台は医師が立って手術をする高さに設定されており、医師は長時間立ち続けなければならない。腹腔鏡手術での採用の動向を踏まえながら、脳神経外科や整形外科など長時間の手術を担う約10万人の医師を対象に製品を普及させる。

 ギアの仕組みや体に合う形状に加工する技術を応用し、千葉大学フロンティア医工学センター(千葉市)などと共同で開発した。基本形を開発したあと、座る位置の角度を変えるギアを手で操作しやすくした。さらに装着するベルトに伸縮性を持たせ、動いた時のフィット感を向上させた。

 将来は介護現場や製造工場など従業員の身体的な負担が大きい職場へ普及を広げていきたい考えで、早期に1万台の販売を目指す。海外では米国や中国など20カ国以上から引き合いがあるという。工場や建築現場で需要が高く、商社などに売り込む。

 ニットーは自動車の部品やオフィス用の家具など様々な分野で事業を進めており、17年5月期の売上高は6億5000万円。

(企業報道部 薬袋大輝)

[日経産業新聞12月6日付]

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