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女性だからできること SDエイバル幹部に聞く

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2017/12/7 6:30
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 サッカー日本代表のMF乾貴士が所属することで知られるスペイン・プロサッカーリーグ「ラ・リーガ」のSDエイバル。リーグでの順位は4日現在、20チーム中13位だが、経営陣に占める女性の割合はリーグ断トツの53%だ。事業部門のトップであるゼネラルディレクター(GD)を務めるのが、パトリシア・ロドリゲスさん(35)。大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)で働いていたが、2014年にSDエイバルが74年の歴史で初めて1部に昇格したときの公募で採用され、辣腕を振るっている。

「女性がトップ、違和感ない」

パトリシア・ロドリゲスさん

パトリシア・ロドリゲスさん

 ロドリゲスGDは、エイバルから車で1時間弱、レアル・ソシエダが拠点とするサン・セバスチャン出身。当時、マドリードで働いていたが、公募を見てすぐ応募した。「小さなクラブだから何でもできると思った。SDエイバルは意図的に女性を採用したのでなく、たまたま最適な人を選んだら女性ばかりが集まった。私の故郷やエイバルのあるバスク地方は伝統的に中小企業は家族経営であることが多く、女性が仕切っている。だから、女性がトップに立つことに違和感がない」という。

 もっともスポーツ、特にサッカーは男性中心の世界。ラ・リーガのテバス会長は事務局のスタッフに「様々な視点がほしい」と女性を積極的に採用しているが、各クラブで、しかもGDクラスになると皆無に等しい。同じバスク地方でもアスレチック・ビルバオやレアル・ソシエダには女性幹部はいないという。「幹部クラスではバレンシアの金融部門のトップに女性がいるだけ。テバス会長がいつも背中を後押ししてくれるのは心強い。女性GDが私一人だけでは会議で心細いこともあった。だが、私はサッカーでなくビジネスをするためにいる。ビジネスはよくわかっていると割り切った」

 現在は事業部門に20人近くいるが、1部に昇格するまでマーケティングから広報、経理などに至るまで事業部門すべてを1人が担当していた。ロドリゲスGDが最初に取り組んだのは組織づくりだった。「クラブには2つのビジョンがある。まずは勝つこと。と同時に、お金も稼ぐ。選手にこのコンセプトをわからせるのが簡単でない。こんなとき、女性の方が相手の立場をおもんぱかって説得するのがうまい。いかに、お金を稼ぐため、インタビューを受け、ファン向けのビデオを撮り、スポンサーのためのイベントに参加するのが重要かを説明する。話していると、選手もそういう経営情報を知りたがっていることがわかってきた」

選手の移籍市場でも力を発揮

 女性は選手の移籍市場でも力を発揮する。期限の2~3日前になるとクラブ同士、代理人も絡んだ激しい競り合いになる。「そうなると男性は何が何でも獲得しようとし、当初の予算をどんどん超えて金額がつり上がっても、狙った選手を取ろうとする。その点、女性は冷静で合理的な判断をする。女性がいると、無駄な買い物はしにくくなるかな」。2015年夏に乾を獲得したのは「プレーだけでなく、タカ(乾)の勤勉で気さくな性格はバスク地方の気質に合う。私たちのような小さなクラブにはこうしたことが大切。私たちは選手獲得の前に、家族のインタビューもする」

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