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北朝鮮船の漂着・漂流、11月28件 荒天で無理な操業

北朝鮮からとみられる木造船の日本海沿岸での漂流や漂着が、11月に28件確認されたことが、海上保安庁の集計で分かった。1月以降、毎月5件以内にとどまっていたが、一気に増えた格好だ。この季節、日本海では波が高くなっているのに、簡素な船で無理な操業を続けていることが背景にあるとみられる。

漂流や漂着の2017年の総数は12月4日時点で64件。船内や周辺の海上では北朝鮮人とみられる18人の遺体が見つかり、42人の生存が確認された。

水産庁などによると、北朝鮮からとみられる木造船は現在、日本海にある台地状の浅海「大和堆」北東の排他的経済水域(EEZ)付近でイカやカニを漁獲している。

日本海では冬型の気圧配置が強まった場合、北西の風が吹きつけ夏場に比べて波が高くなる。例年漂着した船が多く見つかるのも、この季節だ。

17年は11月下旬、秋田県由利本荘市の海岸に木造船が漂着しているのが見つかり、県警が北朝鮮の男性8人を保護。続いて同県男鹿市の海岸にも木造船が漂着し、8遺体が見つかった。

海保によると、北朝鮮からとみられる木造船の漂流・漂着は13年に80件あり、14~16年は45~66件で推移した。17年は12月4日までに64件で、1年を通して見ると必ずしも多いとは言えない。

しかし、11月だけに限れば過去4年で最多の28件を数えた。例年11月から増える傾向にあるとはいえ、16年は11月4件、12月13件だったのに比べると突出している。

気象庁によると、11月に冬型の気圧配置になった日があったという。漂流の詳しい理由は不明だが、ある海保幹部は、木造船の構造から「荒天に耐えられず北西の風に押し流され沿岸に達したのだろう」と話す。〔共同〕

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