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ゆうきさん 低コストへのこだわり(投信ブロガー)

2017/12/11 12:00
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 団体職員として国際的な調査業務に携わるゆうきさん(30代後半の男性)は賃貸住宅で暮らし、家族は妻(共働き)と1児の3人。インデックスファンドに長期投資し、運用の過程を細かくブログ「ホンネの資産運用セミナー(インデックス投資ブログ)」に公開し始めてかれこれ12年になる。投資タイミングを見計らった一括投資が基本的な投資スタイルだが、来年からは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)も利用し、夫婦それぞれが年間40万円の非課税枠を使い切る予定という。ゆうきさんに、長期投資の歩みを聞いた。

■投資関連本でインデックス運用に目覚め

 ――インデックス投資を始めたきっかけを教えてください。

 「もともと投資が大好きで、大学生だった2001年ごろに株式投資を始めました。デイトレード漬けの毎日でした。ただ、すぐ利益確定をしたくなるのに損切りはできない典型的な負けパターンが続きました。株主優待狙いにシフトしたものの、優待商品にもだんだん飽きがきました」

 「そんなとき、05年ごろにたまたま出合ったのが、長期分散投資を説くインデックス投資関連本です。読み進めるうちに『これだ』と直感。株式を売却し、インデックスファンドを購入し始めました。当時はインデックス投資が話題にのぼることはめったになく、インデックス投資が市民権を得つつある今とは隔世の感です。同時に、投資の記録や勉強したことを書き留めておこうと思い立ち、ブログを始めました」

 「ただ、株式の売りと買いを組み合わせる市場中立型といったヘッジファンドの運用手法にも関心がありました。このタイプの代替投資型のファンドを07年までは多く保有していましたが、株高局面での運用成績や成功報酬の決め方に疑問を感じ、米リーマン・ショック前に全て売却しました」

 ――なぜインデックスファンドだけなのですか。

 「一言でいうと、アクティブ運用型は維持コストが高いうえに、運用成績も平均するとインデックス型に負けているからです」

■資産配分は臨機応変に変更、利益確定で現預金増大

 ――資産配分が大きく変化しています。

 「資産配分は景気動向や金融市場の動きを判断材料にして、臨機応変に変更します。現預金を含めた資産配分を重視し、現預金は全体の5~30%程度に調整しています」(図A)

 「国内株と海外株の比率は1対4~5程度です。世界の株式市場の時価総額の比率を基にしていますが、それだと為替リスクを取りすぎると考えて、国内株の割合を若干引き上げています」

 「現在はファンドを順次売却して利益を確定した結果、現預金比率が32%と高い状況です。今は株式で運用するファンドをいつ買い増すか、そのタイミングを見計らっているところです」

 「投資スタイルは株式相場が安くなったときを狙った随時の一括投資で、iDeCo(個人型確定拠出年金)に月額2万3000円投資している他には、積み立て投資をしていません。一括投資の方は16年11月の米トランプ大統領就任決定で株式相場が急落したときに買い増してから、リスク資産には一切追加投資していません。iDeCoも全部、元本確保型にスイッチングしました」

 ――新興国株やREIT(不動産投資信託)には投資しないのですか。

 「将来の期待リターンを最大化するため、現在の投資対象は株式のみです。不動産関連株がファンドに組み入れられているので、不動産関連セクターを買い増す必然性を感じず、REITは対象外です」

 「中国経済の先行きを不安視していることと、まだまだ運用コストが高いと判断して新興国株ファンドは購入していません」

■低コストへの徹底的なこだわり

 ――コストへのこだわりを強調しています。

 「信託報酬の低さにはこだわります。リターンが少しでも向上するからです。加えて、現在の水準が格安なだけではなく、ここがおそらく限界だろうという水準まで、将来にわたり信託報酬が引き下がっていくのを期待しています」

 「そうした期待を込めて、『業界最低水準』を意識して信託報酬の引き下げ競争に参戦している運用会社の定番のインデックスファンドを購入しているのです」(図B)

■リーマン・ショックで傷口広がらず

 ――成功体験を感じていますか。失敗談は。

 「17年9月末までの約12年間で、投資元本に対して時価は2倍強に増え、年率に直すと7%程度のリターンを実現できているのでまずまずと感じています」

 「現預金を含めての資産全体のことですが、リーマン・ショックの大変調時にもほとんど元本割れしていません」

 「たまたま運がよかっただけかもしれませんが、当時は資産配分を大幅に見直している最中で、相場が下がる前に現預金の割合を増やし、相場が下がってから国内株式と海外株式のウエートを増やしていったので、リーマン・ショック後の回復相場に乗ることができました。結果的に逆張り投資がうまくいきました」

 「これといった失敗は特に思いつきません。デイトレード、優待株投資やヘッジファンド型投信なども大きな損失が出るほどには手を広げていません。あまりうまくいきませんでしたが、投資の知識・経験の糧となって今につながっています」

■1万円ぽっきりのジュニアNISA

 ――NISAの利用状況を教えてください。

 「15年と16年のNISAの非課税枠はフル利用しましたが、すでに全て売却済みです。17年は投資する時期ではないと考えて、NISAは使っていません。来年からは、夫婦別々につみたてNISAを利用します」

 ――つみたてNISAに切り替える理由は。

 「NISAは非課税期間が5年と短いです。私は非課税期間の終わりが気になり少し利益が出るとすぐ売ってしまいがちです。なぜなら、5年後に元本割れしていると非課税メリットが得られないので、元本割れにしたくないという思いから焦って売却してしまう傾向があるからです。これに対し、非課税期間が20年と長いつみたてNISAでは『長期投資』に集中できそうです」

 ――夫婦でどのように運用資金を分けているのですか。

 「共働きの妻とはお互いの給与の一部を共有するような形で生活費に充て、それぞれの給与から各自運用資金を捻出しています。妻自身は勤め先の企業型DC(確定拠出年金)とNISAで積み立て投資をしています(図B)。私はそのアドバイス役です」

 ――ジュニアNISAの活用方法がユニークですね。

 「ジュニアNISAは、子供が生まれた翌年の16年から始め、バランス型ファンドを1万円分だけ購入しました(図B)。子供が成人するまでの20年間運用して『長期インデックス投資の結果』をプレゼントしようと思っています」

 「その時に、低コストでなおかつ非課税の長期、分散、インデックス投資のメリットを肌感覚で実感してもらえるとうれしいです」

 「ジュニアNISAをフル活用して、子供がぜいたくするようなまねはしたくありません。それにしても、口座開設などジュニアNISAを始めるまでの手続きはNISAと比べても相当大変でした。今後の普及には手続きの簡素化が課題になるのではないでしょうか」

■投資の知識はまずは書籍から

 ――これから投資に踏み出そうとする若い世代に何かアドバイスを。

 「投資の知識や情報は自ら情報収集するのが何より大切です。それには、基本的なことがらを著名なインデックス投資関連本で学ぶのが良いと思います。すべてがわからなくても、何かヒントや投資のきっかけを見つけるだけでもいいのです。私もそうでした。そのあとで、最新の商品情報などはブロガーの意見や考え方を参考にするのが効果的です」

 「金融機関の勧めるままに人気ファンドを購入すると、高値づかみして後悔するということになりかねません。人に投資のアドバイスを求めるにしても、その前に書籍で自ら勉強しておくのが肝心です」

 「投資家としての本性は大きな下げ相場で現れます。急落で元本割れしたとたん、投資をやめてしまう人が多いようです。そんな時でも投資を継続するためにも、書籍を通じて最低限の知識を事前に身に付け、忍耐力を備えておくのが重要と思います」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は高瀬浩、望月瑞希)

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