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年末ロシア発の嵐、ヘッジファンド動く

2017/12/4 9:09
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 先週1日(金曜)のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均が一気に前日比350ドルも急落したことに、衝撃の大きさがうかがえる。

 トランプ政権発足時には大統領の側近中の側近といわれたフリン前大統領補佐官が「有罪を認める」との第一報は、まさに「青天のへきれき」であった。ヘッジファンドのアルゴリズムは一斉に株の売り注文を発動した。

 この初期作動による市場の反応は、税制改革の進展期待により、ほどなく相殺された。

 しかし12月相場は、モラー特別検察官が率いる精鋭弁護士団の次の一手が政権中枢を揺らす可能性をにらみ、思わぬ荒れ模様になった。「捜査の進展状況次第では、今年のクリスマス休暇を切り上げねば」と語るヘッジファンドの「臨戦態勢」が、市場の緊張感を映す。年内にトランプ政権の存続にかかわるような事態が勃発することは、これまで想定されていなかったからだ。

 日本市場の視点でまず気になるのは、北朝鮮問題への影響だ。米国側の政権不安定化により、マーケットが新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を無視できなくなる可能性がある。ヘッジファンドの日本株売り手じまい、そして有事の円買いの動きを強めるシナリオだ。

 さらに市場の混乱が米利上げに与える影響も、気になるところだ。現在の米国経済は絶好調といえる状況なので、いよいよ来週に迫った12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは予定通り決定されよう。来年の米国政治リスクに備え、できるうちに利上げを実行して、有事の「利下げ」という金融政策手段を確保する発想も米連邦準備理事会(FRB)内で共感を得るだろう。一方、来年の利上げに関してはインフレ率の伸び悩みと並び、政権不安が抑制要因として意識されよう。新FRB体制下で存在感を増すと見られるタカ派のFOMC参加者の今後の発言も注目度が一段と高まろう。

 一方、環太平洋経済連携協定(TPP)にとっては朗報となる可能性も秘める。来年の中間選挙でトランプ政権不支持が顕在化すれば、米国第一主義にも歯止めがかかるからだ。

 総じて市場は、来年の相場見通しを一通り書き終えた時期に、新たなトランプ・リスクの書き込みを迫られている。ヘッジファンドは市場の不透明感が増すことで、臨機応変な出動準備を整えている。彼らの日本株と円への仕掛けで日本の年末相場も揺れる状況を想定しておく必要があろう。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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