法人税の実効税率とは 外資誘致へ各国が引き下げ

▼法人税の実効税率 企業が稼いだ利益のうち、税金としてどのくらい納めたかを示す。国に支払う法人税と地方自治体に支払う法人住民税や法人事業税の「地方法人二税」を合わせて計算する。日本の法人実効税率は29.97%で、2018年度からは29.74%に引き下げる予定だ。
経済のグローバル化が進み、国際的な税率引き下げ競争が激しくなっている。税率を抑えることで外資企業を誘致して自国の経済成長につなげるためだ。米国は税制改革として連邦法人税率を35%から20%に引き下げる方針で調整を進める。フランスもマクロン政権が現在33.33%の税率を段階的に引き下げ、22年に25%とする案を公表した。英国も19%と10年で11ポイントも下がった。
安倍政権も同様に税率を引き下げてきた。第2次政権が発足した直後の13年度の税率は37%だったが、16年度に初めて20%台に引き下げた。特定の要件を満たした企業に税優遇する「租税特別措置」を受けられれば、企業の実質的な税負担率はさらに下がる。税率の引き下げでは赤字企業などにもかかる外形標準課税を拡大することで、課税される企業を広げて財源を確保する手法が主流になっている。