2017年12月11日(月)

景気、緩やかな成長持続へ 大阪で本社討論会

経済
関西
2017/12/1 23:00
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 日本経済新聞社と日本経済研究センターは1日、大阪市内で景気討論会を開いた。国内景気は円安や設備投資の増加、訪日客消費の拡大などを要因として、緩やかな成長を持続できるとの見方が多かった。(司会は日本経済新聞社大阪本社編集局長・品田卓)

(手前から)芳井敬一・大和ハウス工業社長、東和浩・りそなホールディングス社長、野口麻衣子・大和証券金融市場調査部シニアエコノミスト、岩田一政・日本経済研究センター理事長(1日午後、大阪市北区)

(手前から)芳井敬一・大和ハウス工業社長、東和浩・りそなホールディングス社長、野口麻衣子・大和証券金融市場調査部シニアエコノミスト、岩田一政・日本経済研究センター理事長(1日午後、大阪市北区)

 ――国内景気についてどうみているか。

 野口麻衣子氏(大和証券金融市場調査部シニアエコノミスト) 世界経済の回復の足取りが昨年後半から良くなり、国内も上向いてきた。もっとも内需の自律的な好循環が生じているとは現段階では言いにくい。

 東和浩氏(りそなホールディングス社長) 取引先とのやり取りから判断すると景気は底堅い。企業の規模や業種、地域の間であまりギャップがなく回復傾向にある。為替が落ち着いていることが大きい。人材採用が難しい状況は産業界全体に通じる話。設備資金の需要は強く、増産よりも生産性を高めるための投資が多い。

 芳井敬一氏(大和ハウス工業社長) 体感として国内外とも緩やかに上向いている。国内では政治の安定が寄与しており、東京五輪関係で建設が増える。懸念材料は個人消費で、戸建て住宅の伸びは厳しい。

 ――国内景気を後押ししている海外経済に懸念材料はないか。

 野口氏 中国経済はインフラ投資などで景気の落ち込みを乗り切ってきた。構造改革にも取り組んでいる。金融面の不均衡などが残っているが、先の共産党大会では現指導部の権力基盤が一段と強まり、長期政権を見据えているようだ。経済を軟着陸させるとの意思を感じ、そのシナリオに期待する。

 芳井氏 当社では海外展開を積極的に行っている。トランプ米政権に代わってどうかというと、メキシコで日系自動車工場の建設を手掛けているが、いったん様子をみたあとに着工している動きがある。影響は軽微なものだった。

 岩田一政氏(日本経済研究センター理事長) グローバルにみて市場は非常に穏やかな時期にある。ただ(リーマン・ショックにつながった)米住宅ローン問題が顕在化する前に似ている。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が重視する株式市場の時価総額と名目GDP(国内総生産)の関係でみると、米国はもうバブルだと思う。先進国の大規模な金融緩和が効いている。

 ――国内景気の持続的な成長に向け、総選挙で勝利した与党の政策を含めて必要なことは。

 野口氏 注目は労働市場改革だ。経済活性化を考えると労働者も資本であり、柔軟に動いて再配分できることが大事だ。同一労働同一賃金が生産性向上に貢献するだろう。

 芳井氏 女性が働きやすい環境をつくってもらいたい。結婚、出産、自分や夫の転勤で仕事を諦めることがあり対応が必要だ。育児環境の改善も国主導でやってもらいたい。

 東氏 中小企業を中心に言うと来年のテーマは3つ。事業承継、人手不足、(環境や社会的責任を重視する)ESG(投資)。高齢化が進むなかで事業承継対策を積極的にやってほしい。スタートアップ企業への世代交代と新事業創出にもつながる。人手不足対策では設備投資によって生産性を上げることが必要で、税制などの面で企業の取り組みを後押ししてほしい。

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