2019年6月18日(火)

超高級茶に冷凍ブドウ…関西の幸、一「食」入魂(熱撮西風)

2017/12/5 2:00
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食材のブランド戦略が関西各地で深化している。ワインボトル入りの高級宇治茶やハラルに対応した神戸ビーフ、特殊な冷凍技術で味を落とさず輸出できる大阪産ブドウ――。食に対する需要の多様化やインバウンド(訪日外国人)の波を背景に、産地はより多くの食通とつながり始めた。

(大阪写真部 山本博文、為広剛)

■宇治茶 1本5940円(京都)

ワインボトルに入るのは、抹茶の原料のてん茶を水出しした宇治茶だ。JA京都やましろ(京都府京田辺市)が飲料メーカーのロイヤルブルーティージャパン(神奈川県茅ケ崎市)と開発した。良質な茶葉のみを収穫できる手摘みにこだわり、無添加で作られる。1本5940円(税込み)。深いこくがあり、だしのように濃厚で芳醇(ほうじゅん)な味わいだ。アルコールの苦手な女性がワイン代わりに食事と合わせる楽しみ方も広がっている。

1本1本桐箱に収められる(京都府宇治田原町)

1本1本桐箱に収められる(京都府宇治田原町)

使用するのは抹茶の原料、てん茶。長時間かけて水出しする

使用するのは抹茶の原料、てん茶。長時間かけて水出しする

手作業でラベルを貼っていく。シンガポールのレストランにも出荷する(神奈川県茅ケ崎市のロイヤルブルーティージャパン)

手作業でラベルを貼っていく。シンガポールのレストランにも出荷する(神奈川県茅ケ崎市のロイヤルブルーティージャパン)

ワイングラスに注ぐと、まろやかな香りが広がった

ワイングラスに注ぐと、まろやかな香りが広がった

■牛肉 ムスリム配慮(兵庫)

イスラム教の戒律に沿う「ハラル認証」を取得した神戸ビーフが誕生した。食肉処理の三田食肉公社(神戸市)ではムスリムの従業員がアッラーの名を唱えながら処理。戒律が禁じる豚肉が混入しない専用施設も備えた。同市の「ステーキみその神戸本店」で10月から提供を開始。「軟らかくて甘みがある。ずっと食べてみたかった味」とインドネシア人夫妻が舌鼓を打った。

ハラル認証を取得した神戸ビーフのステーキを食べるインドネシア人夫婦ら(神戸市中央区のステーキみその神戸本店)

ハラル認証を取得した神戸ビーフのステーキを食べるインドネシア人夫婦ら(神戸市中央区のステーキみその神戸本店)

神戸ビーフに貼られたハラル認証のステッカー

神戸ビーフに貼られたハラル認証のステッカー

■フグの名産地 再び(大阪)

ふ化に成功した放流用のトラフグの稚魚が、水槽ですくすくと育つ。大阪府立環境農林水産総合研究所の水産技術センター(同府岬町)は2015年から計約6万匹を海に放ってきた。同センターによると大阪府内での水揚げは1959年に28トンあったが、現在はわずか100キロほどに。稚魚は東シナ海で成長し2~3年後に放流場所に戻るとされる。「なにわ前」ブランドの復権も近そうだ。

放流用に育てられたトラフグの稚魚。大消費地・大阪での漁獲増が期待される(大阪府岬町)

放流用に育てられたトラフグの稚魚。大消費地・大阪での漁獲増が期待される(大阪府岬町)

■冷凍ブドウ 海外へ(大阪

マイナス30度の特殊なアルコールに浸したブドウが白く凍る。洗剤メーカーのサラヤ(大阪市)は種なしブドウ「デラウェア」を冷凍し、味や食感を損なわず輸出する取り組みを大阪府と進める。氷の結晶が生成される温度帯を通常の20倍の速さで通過させるため、細胞を傷つけない。大阪府内のブドウ収穫量は全国7位(農水省調べ)で栽培面積は「昭和初期に全国1位の記録が残る」(同府の農の普及課)。ブランドをアピールしながら香港やシンガポールの富裕層に向け売り込む。

収穫期とずれていた中華圏の中秋節や旧正月に狙いを定める(大阪市東住吉区)

収穫期とずれていた中華圏の中秋節や旧正月に狙いを定める(大阪市東住吉区)

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